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屋根屋 村田喜代子 講談社

『屋根屋』は中年女が、自宅の屋根を修理してくれた「屋根屋」の男と、夢の中で旅をする物語。

好きな人と「夢で会いたい」と思った事がある人は案外多いかと思うのだけど、まさにそれ。

屋根屋の男と夢のなかで待ち合わせて、寺の屋根や、ヨーロッパの寺院の屋根などを旅していく。

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屋根屋

雨漏りのする屋根の修繕にやってきた工務店の男は永瀬といった。木訥な大男で、仕事ぶりは堅実。彼は妻の死から神経を病み、その治療として夢日記を付けている。

永瀬屋根屋によれば、トレーニングによって、誰でも自在に夢を見ることができるという。「奥さんが上手に夢を見ることが出来るごとなったら、私がそのうち素晴らしか所に案内ばしましょう」。

以来、二人は夢の中で、法隆寺やフランスの大聖堂へと出かけるのだった。

アマゾンより引用

感想

相変わらず、独特の空気感だった。たぶん、文章自体受け付けられない人もいると会いたい思う。官能的と言うか、エロティックと言うか。

直接的な行為の表現は出てこないのだけど、どことなく退廃的でイヤらしい。私はけっこう好きな世界だ。

今回は「夢で会いたい」というベタベタ過ぎるネタを持ってきてくれて、とても嬉しい。

私も夢でもいいから会いたい人がいる。夢を自由に操る事ができたら、どんなに良いだろうか。たぶん、これは人間が昔から願ってきたテーマなのだと思う。

とは言うものの。物語として見ると今回の作品、主人公がかなり酷かった。

直接的にセックスをしたり、愛だ恋だという表現は出てこないのだけど、これは立派な不倫小説。

私は42歳の既婚者で「不倫はイケナイと思います!」なんて青臭い事を言う年ではないけれど、屋根屋があまりにも可哀想過ぎて、やっぱり不倫はイカンと思った。

どうせなら本気の恋がいい。

私がそういう事に突っ込んでいくなら覚悟を決めて家族を捨てる。そうじゃなきゃ無理だ。切な過ぎる。

主人公のズルさや屋根屋の気持ちが真に迫っていて面白かった。

しかし、好きか嫌いかかと聞かれたら、好きじゃない類の作品。とは言うものの、面白かったのも確かなので、次の作品に期待したいと思う。

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白い木蓮の花の下で
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