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星への旅 吉村昭 新潮文庫

なんだかんだとハマっちゃっている小説の匠・吉村昭が若かりし頃に書いた短編集。

個人的には、技術力がアップして「やり過ぎ」な感じになってきた作品が好きだけど、たまには脂ぎっていた(であろう)時代の物を読んでみようと手にとってみた。

表題作は集団自殺した若者の道行きのお話。世代的にギャップがあるのか、どうにも古臭い印象が鼻について、ついていく事が出来なかった。

星への旅

平穏な日々の内に次第に瀰漫する倦怠と無力感。そこから脱け出ようとしながら、ふと呟かれた死という言葉の奇妙な熱っぽさの中で、集団自殺を企てる少年たち。その無動機の遊戯性に裏づけられた死を、冷徹かつ即物的手法で、詩的美に昇華した太宰賞受賞の表題作。他に『鉄橋』『少女架刑』など、しなやかなロマンティシズムとそれを突き破る堅固な現実との出会いに結実した佳品全6編。

アマゾンより引用

感想

表現として耽美だったり、退廃的だったりするでもなければ、社会派でもなく中途半端な印象で、ちょっとガッカリ。

ただ「ものすごく頑張って書きました」という雰囲気がが滲み出ていて「あぁ。匠も若かった頃があったんだねぇ」と、思いはしたけれど。

何故だかこの作品集は「死」がテーマになっているものが多く、表題作以外はそれなりに面白く読めた。

『仮釈放』で見せた非情さは、この頃から少しずつ牙を研いでいたのだろうか……なんて思ったり。この人の書く生死感は、ちょっと変だけど面白い。

印象的だったのは「骨」に執着する男の物語。

作者の妻であり、作家でもある津村節子が「骨」に対する夫の執着心を描いていたのを思い出した。

吉村昭は若い頃に結核の手術で肋骨を切断しているらしい。

あぁいう特殊な設定の物語は、経験に裏打ちされたものか余程の天才でなけれぱ、ちょっと描き辛いと思う。正常と狂気のバランスが絶妙で良かった。

全体的には「まずまず」といった感じだったが、いかんせん読後感の悪い物が多いので(面白くないのではなく、あくまでも読後感)何度も繰り返して読むにキツイかも知れない。

吉村昭フリークなら読んでみてもいいかもね…といった1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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