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月下美人 吉村昭 文春文庫

面白い……と言うほどの作品ではなかったのだけど、自分の中にあった作者の像がクッキリと浮かび上がる1冊だった。

吉村昭の執筆活動に関わる短編集で、言っちゃぁなんだが物語自体は、どれもこれも大したものではなかった。

しかし吉村昭の執筆に対する姿勢が伺えるあたりは、ファンにとっては見逃せないところだろう。

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月下美人

「私とかれとの奇妙な交流は、絶えることなくつづいていた。かれの存在を煩わしいと思ったことがなかったのは、私自身にとっても不思議であった―」軍用機を爆破した元逃亡兵を取材する「私」と、苦悩の歳月を生きてきた男との交流を月下美人の花に託して描く表題作など、生と死をみつめる八つの短編集。

アマゾンより引用

私はここ何年も吉村昭の書く文章が大好きで、なんだかんだと追いかけてきた。

好きといえば好きなのけど、「この作品となら心中してもいい」と思えるほどハマれる作品もなかった。

吉村昭の事がどうしてこんなに好きなかと、自分自身でも分からずに、いままで疑問に思っていたのだけれど、この作品集を読んで気が付いた。

私は小説家としての作者が好きなのではなく文章を綴る職人としての吉村昭を愛しているのだと。

吉村昭という人は、文学者というよりも、むしろ小説を書く職人なのだと思う。

そのコダワリと作品に対する徹底ぶりは素晴らしいの一語に尽きる。そしてコンスタントに一定レベルの作品を量産できる底力。

彼こそ現代の小説職人。私がいま、もっとも安心して新刊本を買える作家さんだ。

ただ「職人」であるがゆえの物足りなさはご愛嬌。

好きなのに……すごく好きなのに、安心して読めるのに惚れ込めないのだ。この作品に書かれていた裏話ちっくな物語を読むにつけ「あぁ…作者は才能よりも、むしろ努力の人なのだなぁ」と思った。

きっと私はこれから先も、コツコツとこの人の書いたものを読み続けていくのだろうなぁ…と思った1冊だった

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白い木蓮の花の下で
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