大阪にある菓子製造メーカーを舞台にしたドタバタ小説。
客観的に見れば、それなりに面白いのかも知れないけれど、私には全く受け入れられなかった。
大阪を舞台にしている小説なので、登場人物はすべからく大阪の人で大阪弁を話しているのだけれど、大阪弁が汚過ぎるのだ。
大阪に住む人間には耐え難いものだった。
走れ!ビスコ
菓子業界第8位の中堅会社に入社したてのワタシ、江口リツコは周囲からビスコと呼ばれている。理由は簡単。ビスコのパッケージに描かれているイラストそっくりの顔をしているから。
会社では広報部に配属されたけど、新入社員研修が終わって間もない戦力外。それどころか、この世で一番恐い先輩・尾藤景子さんに毎日泣かされている。
アマゾンより引用
感想
情けない。実に情けない。
大阪弁はテレビ等でデフォルメされることが多いけれど、それにしてもこの小説に書かれている大阪弁は酷過ぎる。
これを読んだ人から「大阪の人って、こんな言葉を使うんだね」と面と向かって言われたら、私はきっと泣くだろう。
この作品に書かれている大阪弁をすべて否定するつもりはない。大阪人同士のかけあいで「たしかに、そういうノリの人はいねよね」と思える場面もあった。
しかし、大阪人の私が読んでも「こんな奴おらんやろ!」と突っ込みたくなるような人ばかりだった。
中場利一は彼なりに大阪を愛しているのだと思う。
だけど、その方向性を私は好きになれない。作品の筋書き自体はそこそこ面白かったし、中場利一が言わんとすることも分からなくはない。
しかし私はこの作品を肯定することも、出来ないし好きになることも出来なかった。
酷い言い方なのは承知の上で書かせてもらうが、手に取ったことを後悔させられた1冊だった。
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