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ジャージの二人 長嶋有 集英社

そんなに面白くなかったのにも係わらず、けっこう夢中で読んでしまった。

物語自体は、どうってことないと思う。だが「夏の別荘生活」というのが、激しくツボだった。

それも大金持ちのリゾート別荘ではなく、小金持ち……というか上級庶民の山小屋暮らしというノリだったので、自分の目線まで話を持ってくることが出来たのだと思う。

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ジャージの二人

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恒例の「一人避暑」に行く父親と犬のミロにくっついて、五年ぶりに北軽井沢の山荘で過ごす小説家志望の「僕」。

東京に残った妻には、他に好きな男がいる。

危ういのは父親の三度目の結婚も同じらしい。―かび臭い布団で眠り、炊事に疲れてコンビニを目指す、アンチスローな夏の終わりの山の日々。ゆるゆると流れ出す、「思い」を端正に描く傑作小説。翌年の山荘行きを綴る『ジャージの三人』収録。

アマゾンより引用

感想

小説化志望の無職男(妻持ち)の主人公が、カメラマンの父親と過ごす別荘での日々を綴っているのだが、何もかもが羨ましくてならなかった。

まず第一に、ささやかなりとも別荘があるというのが羨ましい。そして第二に、いい年をして「存分に甘えられる親」がいるのが羨ましい。

1日中、ジャージを着てうろうろできるというのも羨ましい。とにかく、なにもかもが羨ましかった。

生活感を描くのが上手い作家さんなのだなぁ……と思った。

三本に束ねられた魚肉ソーセージとか、市販のクッキーとか、ちょっとした小細工がよく効いている。

最近の小説は、食べ物でも、持ち物でも「作者のお気に入り」とか「コダワリ」とか「上質な品」とかが溢れて過ぎていて、それはそれで素敵なのだが、読んでいて草臥れることがあるのだ。

庶民の目線まで降りてきて、生活感を書いた小説というのは、あんがい少なくなっているような気がする。

それも、これも全ては「ジャージ」に集約されているような。

猛スピードで母は』で母の時も思ったが、長嶋有の書く「親」というのは、すごく出来すぎているような気がする。

こういう親を持った子供は、さぞかし楽ちんだろうなぁ……などと、しみじみ思ったりした。だけど、どうなんだろう? 私には少し嘘臭い気がしてならないのだが。

派手さはないが、楽しめる1冊だと思った。

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白い木蓮の花の下で
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