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映画『ワルキューレ』感想。

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トム・クルーズ主演の映画『ワルキューレ』を視聴した。

ナチスドイツがテーマの映画だけど、アメリカ制作。リアリティを求める映画好きの人達からは「しょせんアメリカ映画」と言われている作品だけど、私はかなり楽しめた。

男前(見た目)達が男前(中身)な男達を演じて、なかなか男前な映画に仕上がっている。

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ワルキューレ

ワルキューレ
Valkyrie
監督 ブライアン・シンガー
脚本 クリストファー・マッカリー
ネイサン・アレクサンダー
製作 ブライアン・シンガー
ギルバート・アドラー
クリストファー・マッカリー
製作総指揮 トム・クルーズ
ポーラ・ワグナー
クリス・リー
出演者 トム・クルーズ
ケネス・ブラナー
音楽 ジョン・オットマン

あらすじ

1944年に起きたドイツ国防軍将校によるヒトラー暗殺計画「7月20日事件」を描いたサクソン。

7月20日事件指揮を執った実在の将校クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)が主人公。

シュタウフェンベルク大佐は軍人として国家に忠誠を誓いつつ、ヒトラー総統の独裁政権絶望していた。シュタウフェンベルク大佐はアフリカの最前線で連合軍の爆撃を浴び、左目、右手、左手薬指小指を失う。

ドイツに帰国したシュタウフェンベルク大佐はベルリンの予備軍司令部勤務になる。シュタウフェンベルク大佐はレジスタンス活動をしているオルブリヒト将軍に勧められて、ヒトラー暗殺計画に加わる。

ある日、自宅でワーグナーを聴いていたシュタウフェンベルク大佐は、ドイツ国内での有事に際して反乱勢力を鎮圧する「ワルキューレ作戦」を利用して、ナチス政権を転覆させる計画を思いつく。

「ワルキューレ作戦」は総統大本営「狼の巣」を爆破後、ベルリンを一気に制圧する…と言う計画だった。しかし…

感想

ヒトラーの生涯については歴史的に明らかにされているため、観る側は最初から「コイツら頑張ってるけど計画は失敗するんだな」ってことが前提になっている。

日本で言うなら、新選組とか白虎隊がテーマの作品を観るノリ。

「戦争の残酷さを知る」とか「戦争中も誇り高く生きた人の人生を知る」って意義否定しないけど「滅びの美学」に惹かれてしまう人にはたまらない作品だと思う。

そしてこの『ワルキューレ』は滅びの美学が好きな人達が愛する要素を「これでもか」というほど詰め込んでいる。

ヒトラーは「見た目」重視で幹部を選んだって話が有名なので、自然とそうなるのかな…ってところもあるのだけれど、ヒトラーやナチスドイツをテーマにした他の映画に較べても『ワルキューレ』の美しさは群を抜いている。

まず主演のトム・クルーズ。見た目に申し分ない。

しかも怪我して眼帯までされた日にはもう…カッコよさの極みと言っても良いだろう。

シュタウフェンベルク大佐はドイツではヒトラーに抵抗した英雄で、敬虔なクリスチャンとして知られている。

しかしトム・クルーズはドイツでは危険な新興宗教とされているサイエントロジーの支持者だったため、トム・クルーズがシュタウフェンベルク大佐を演じることが決まった時はかなりの騒動が起こったらしい。

ドイツ国民の反対を押し切ってまでトム・クルーズを起用したかった監督の気持ちは映画を観ればお分かり戴けると思う。

周囲の軍人達もそれぞれに男前。知将、メガネ、スキンヘッド、爺さん…各種取り揃えている。

戦争ものだけだけに女性の人数は少ないものの、主人公シュタウフェンベルク大佐の妻は超美形だし、その子ども達も天使のように可愛いのだ。

物語の哀しさはとりあえず置いといて、まずは眼福を楽しんで戴きたい。

ドイツと日本の感覚の違い

『ワルキューレ』はあくまでも史実に基づいて作られているのだけど、あのナチスドイツの政権下にあって、抵抗勢力がちゃんと機能していた…って事は凄いと思う。

ワルキューレ計画は失敗してしまったし、戦争について考察するのが好きな人達から言わせると「シュタウフェンベルク大佐が現場に残って爆破を完遂すればヒトラー暗殺は成功していた」って事らしいけど、そこはドイツと日本の感覚の違いだと思う。

相打ち覚悟、あるいは自爆テロが出来ればヒトラー暗殺は出来たと思うものの、ドイツ人には日本で言うところの特攻隊的な考え方が無いのだと思う。

作品の中でシュタウフェンベルク大佐は「ヒトラー暗殺の後、どうするのか?」ってことを指摘しているように「生きてこそ」と言う考え方がベースにあったのかな…と言う気がする。

映画の感想からはズレてしまうのだけど「北朝鮮でも秘密裏に抵抗勢力が活動しているのかも知れないな…」なんてことを思ったりした。

独裁者を引きずり下ろすためには中から革命を起こさないことにはどうにもならないものなぁ。

『ワルキューレ』のラストは哀しいものでしかない。

だけど「観て良かったな…」と思える作品だった。

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