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ジョゼと虎と魚たち 田辺聖子 角川文庫

表題作をはじめとする恋愛小説ばかり集めた短編集だった。

旅のお共に連れ出して、新幹線の中で読んだのだが、なんとも感想が書き辛い。

表題作以外は、これっぽっちも面白いと思わなかったのだ。表題作は良かった。

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ジョゼと虎と魚たち

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足が悪いジョゼは車椅子がないと動けない。ほとんど外出したことのない、市松人形のようなジョゼと、大学を出たばかりの共棲みの管理人、恒夫。どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作「ジョゼと虎と魚たち」。

他に、仕事をもったオトナの女を主人公にさまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる短篇、八篇を収録した珠玉の作品集。

アマゾンより引用

感想

表題作は、ジョゼ(名前は外国人だが、あくまでも呼び名)という足の不自由な若い女性と、どこにでもいそうな若者との恋愛物語。

障害者が登場するからといって、お涙頂戴だったり、爽やかティスティだったりするわけではない。「ああ。これぞ恋愛の醍醐味。恋愛の不安定」というような、秀作である。

ヒロイン、ジョゼのエキセントリックさに、すっかりやられてしまった。

個人的に言うなら、ああいう女性と恋愛するのは大変そうだし、女友達にするのも遠慮したい感じなのだが、魅力的というか、好きにならずにいられないというか。

ちょっぴり共感する部分があったというか。今まで読んだ恋愛小説の中でも、上位に入っちゃうかも知れない……という勢い。ちょっぴりツボにハマり過ぎた。

ただ、それ以外の作品は、どれもこれも私の感覚にはしっくりこなかった。

たぶんヒロインの恋のお相手が好きになれなかったからだと思う。

田辺聖子の「好みの男性」なのだと思うが、恋のお相手は、どの作品も似たり寄ったりのタイプで「私はとっても付き合いきれないなぁ」というような人々だったのだ。

人の嗜好ってのは色々なので、この辺のところは、なんとも言い難いのだが。

表題作以外で良かったと思えたのは山田詠美の解説くらいである。

解説というよりも「エッセイ」というノリが強く、作品を引き立たせるための文章にしては、自己主張が激しい気がしなくもなかったのだが。

文章の上手い下手は関係なくて、解説向きの作家さんと、そうでない作家さんっているように思う。

私は、イマイチ田辺聖子の作品とは相性が良くないように思う。

そこそこの数を読んでいるのに、良かったと思えたのは『ジョゼと虎と魚たち』ただ1つきりなのだ。「他の作品は全部好きぢゃないのに、それ1つだけは大好き」なのである。

そう思えば「あまり好きじゃない作家さん」の作品も、それなりに読んでおいて損はない……ってことになるなぁ。

つくづく読書は奥深い。

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白い木蓮の花の下で
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