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かっぽん屋 重松清 角川文庫

未収録短編とロングインタビューが収録された「重松清ファンブック」という雰囲気の1冊。

王道的短編小説アリ、SFティスティな短編小説アリでお買い得な感じである。

デビュー当初の作品は初々しさが滲み出ていてキレの良さはイマイチだったが、嫌味がなくて後味スッキリ。

これまで出版されている作品にある「説教臭さ」がないぶんだけ素直な気持ちで作品に浸ることができた。

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かっぽん屋

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15歳。頭のなかにあることといったらただ一つ、かっぽん―。

憧れと妄想に身を持て余す思春期の少年たちの、ひたすらな性への関心をユーモラスに描いて、もどかしい青春の痛みを鮮やかに蘇らせた表題作のほか、デビュー間もない時期に書き下ろされた奇想天外な物語など、全8編を収録。

これ1冊で作家・重松清のバラエティと軌跡が存分に味わえる著者初、待望の文庫オリジナル短編集。

巻末には貴重なロングインタビュー2本も併録。

アマゾンより引用

感想

表題作になっている『かっぽん屋』の「かっぽん」とは主人公の少年が暮らしている地方の言葉で「SEX」のこと。

重松版『ヰタ・セクスアリス』というところだろうと思う。

もっとも、これは小説ネタの王道なので、特別面白い話でもないのだが思いっきりコケることもないので、安心して読めるという感じだった。

そう言えば、男性視点での「性に目覚める頃」は王道ネタとして書かれる事が多いが女性視点での、そういった作品は、ほとんどお目に掛からないなぁ……とて疑問を感じた。

性差によるものか、それとも「作家」という職業の女性比率が低いからなのか? 素朴な疑問に首を傾げてしまった。

この作品集の中で私が、いっとう気に入ったのは作者のインタビューだった。

本を読む上において、作家や作品と関わっていくとき作家の人となりや考え方も好きだし、作品も好きだ……ということもあれば作家の人となりや考え方は嫌いだが、作品は好きだ……ということもあり、また、その逆をゆくこともあるのだが私にとって重松清は、作品は「まぁまぁ程度」で好きって位置づけ。

しかし重松清の人となりは「かなり好き」である。インタビューを読んで、ますます「人となり」を好きになってしまった。

重松清自身もインタビューで「自分は天才ではないので」と語っているが彼の作品は努力と計算でもって書かれている部分が多い気がする。

作品の芯になる屋台骨が、しっかりしていないことが多く「理屈ではその通りだけど、それってどうよ?」とか「今の風潮は、そんな感じだけど、あなたの考えはどうよ?」とか小説として、のめり込むほどの要素が低かったりすることが多い。

インタビューではその辺のジレンマが書かれていたので興味深く読むことができた。

重松清は小説家としては、それほど惹かれないタイプの作家さんだが人間としては、ちょっと興味のある人だと思った。

小説よりも、むしろエッセイを読んでみたいなぁ……などと。

私の個人的な「好き・嫌い」は抜きにしても、気持ちの良い短編集だと思う。

主人公が少年、あるいは男性なので、男性が読んだ方が面白いのかも知れない。読みやすい文章なので、夏のつれづれのお供にするのに良い1冊ではないかと思った。

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白い木蓮の花の下で
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