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ネバーランド 恩田陸 集英社

なかなか楽しませてくれる小説だった。なにしろ舞台が私立男子校の寮ときたもんだ。

『摩利と新吾』だの『トーマの心臓』だのといった、往年の名作耽美漫画にドキドキした世代の人間にとって、私立男子校の寮というのは、1つのドリームなのである。

設定をオカズにして、いくらでも楽しめるというものだ。

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ネバーランド

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舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。

やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。

アマゾンより引用

感想

会話も楽しく、サクサクと読みやすく、登場人物達もなかなか良い男子で気持ちの良い小説だと思う。

母親に自殺されちゃったトラウマとか、両親が死んで父の本妻に引き取られた妾腹の子が、父の本妻に玩具にされて苦しんでいる話とか、まぁそれなりに暗い要素もあるのだけれど、友情とか若さとかで、サラリと飛び越えていく。

作り過ぎな感じがしたが不愉快というほどではなかった。

恩田陸は「読ませる」ことの上手い作家さんなのだと思う。

しかしながら、いい意味においても、悪い意味においても少女漫画、あるいはジュニア小説の枠から出ていないと思った。

そこそこ面白いのだけれど、大人が楽しむ読み物としては、いささかパンチに欠ける感じがする。

作者の作品は『六番目の小夜子』に続いて2冊目だが、2冊とも「へぇ。面白いし上手だなぁ」とは思うものの、それ以上に食い込んでくるものがないのだ。

しかし、恩田陸の書くものが支持される理由は、なんとなく分かる気がする。私がハマれない理由が、そのまま支持される理由なのだろう。

私は学園物、青春物を読む場合、主人公が異性だと評価が甘くなり、同性だと評価が辛くなるらしい。

この作品も、設定が女子高だっら、同じ内容でも「あまりにも現実から離れすぎている」とプンスカ怒っていたかも知れない。同性に対する同族嫌悪と「男同士っていいなぁ」というような異性への憧れが、そういう評価を生むようだ。

女を辞めたいと思っている訳ではないが、こういうものを読むと「男になりたい」と思ってしまう。

こういう作品に出てくる男子は、小綺麗な作り物だってことくらい分かっているのだけれど「男同士」というものに対して、羨ましさを感じずにはいられないのだ。ようするに無いものネダリって事なのだが。

それにしても、登場人物が揃いも揃って「いい子」過ぎるのは、ちょっとお腹一杯な感じだった。

漫画やドラマ、舞台なら、こういうのもアリだと思うのだけど。ビジュアル抜きの文章だけだと、優等生ちっくなアクの無さは、印象の薄さと通じてしまうように思う。

悪くはない……だけど良くもない……というのが読了してみての感想である。

半年も経ったら、作品の題名を見ても「男子校・寮生活」というキーワードしか思い出せないような気がする。

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白い木蓮の花の下で
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