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映画『フル・モンティ』感想。

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前回視聴した『ブラックホーク・ダウン』がブッチギリで憂鬱な作品だったので、私の大好きなコメディ映画を観て口直しをすることにした。

『フル・モンティ』は1997年制作のイギリス映画。私は当時、映画館で観た。初めて観た時は「なんて面白い映画なんだろう!これは流行るに違いない」と確信したのだけれど、一部の映画ファンの間でしか広まらなかった気がする。

似たようなテーマ(鉄工所の閉鎖)で同時期に作られた『ブラス!』は評価されたのに、なんとも残念な話だ。

だけど分かっている。

『ブラス!』の主題は吹奏楽だったけれど『フル・モンティ』はオッサンがストリップショーをする話なので、まあ…ちょっと色々とアレだったのだろう。

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フル・モンティ

フル・モンティ
The Full Monty
監督 ピーター・カッタネオ
脚本 サイモン・ビューフォイ
製作 ウベルト・パゾリーニ
出演者 ロバート・カーライル/マーク・アディ/トム・ウィルキンソン
音楽 アン・ダッドリー

『フル・モンティ』はコメディ映画。

ドラマ要素も感動的な要素も入っているけれど、基本的にはお馬鹿な話。真面目なドラマ映画が好きな人にはオススメしない。

底抜けに楽しいけれど「ちょっと男子~真面目にやって~」的なおふざけ要素がとても強い。

あらすじ

映画の舞台はかつては鉄鋼業で栄えたイングランドのシェフィールド。

鉄工所が潰れて失業してしまった中年男6人が一攫千金を狙ってストリップショーを開催する物語。6人の男達の中にイケメンはおらず、見たとしては全員パッとしない。

  • ガズ 妻から離婚されて1人暮らし。駄目男だけど1人息子を愛している。
  • デイブ ガズの親友。太っている事にコンプレックスを持っている。
  • ジェラルド ガズとデイブの上司。社交ダンスを習っている。失業した事を妻に言えず、会え出勤を続けている。
  • ホース 中年どころか老人の粋に突入している黒人。昔はダンスを踊っていた。
  • ロンパー 病気の母と2人暮らし。自殺するところをデイブに助けられている。
  • ガイ ダンスは全く駄目。大きさが自慢の息子でオーディションに合格する。

主人公のガズは、離婚した妻との間にいる愛息子ネイサンの養育費が払えず、仕事も見つからない状態。そんな時に男性のストリップショーが人気だと知り、自分もストリップショーをして養育費を稼ごうと思い立つ。

そこに集まってきたのが5人の仲間。

紆余曲折を経てストリップショーを開催するまでのドタバタっぷりが素晴らしい。

真面目じゃない真面目な物語

『フル・モンティ』の良いところは「失業した男達の再生劇」と言っても、悲惨さや真面目さが一切描かれておらず、始終楽しそうなところにあると思う。

切羽詰まっているはずなのに、どことなく楽天的と言うかお馬鹿と言うか。

いい年したオッサン6人が楽しそうにキャッキャしているところが本当に楽しい。

何しろ男性のストリップショーだもの。

題名の『フル・モンティ』とは「素っ裸」と言う意味。裸がテーマなのにエロティクな雰囲気は微塵もない。

『フル・モンティ』は単純に「オッサンがキャッキャする映画」ではあるのだけれど、ちょっとした問題提起を仕込んでいるところが心憎い。

  • デイブの体型コンプレックス
  • ガズとネイサンの親子の絆
  • 黒人差別
  • セクシャリティ問題(ロンパーとガイは恋人関係になる)

普通に描いたら重たいテーマを仕込んでいるのに、どれもこれもサラッと描かれているところに好感が持てる。

失業もコンプレックスも人種差別も、ヒョイヒョイと身軽に乗り越えていくところが実に良い。

楽しいシーンが沢山あるのだけれど、その中でも閉鎖され工場でストリップショーの練習をしていて、警備員に見つかり、逮捕されそうになるところを全裸で逃げる場面は最高だった。

私は大好きな映画なのだけど、下品と言えば下品だし、不真面目と言えば不真面目なのでシモネタが苦手な人にはオススメしない。

もし「そういうの全然気になりません!」って感じなら、是非オスメスしたい1本。

元気の無い時に観ると、ちょっと元気になれるかも知れない。

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