娘が冬休みのクリスマスキャンプに行ったので夫と2人で『ボヘミアン・ラプソディ』を観に行ってきた。
『ボヘミアン・ラプソディ』は伝説のロックバンド『Queen』のボーカル、フレディ・マーキュリーの半生を描いた作品で、ちまたでは「中高年ホイホイ」と言われている。
しかし私は微妙にQueen世代から外れていて「CMで流れているような定番曲なら聞いたことある」くらいの知識しかない。
『Queen』を知らない人のためにフレディ・マーキュリーについてザックリと解説。
- イギリスのロックバンドQueenのボーカル
- タンザニア生まれで両親はペルシャ系インド人
- 両親はゾロアスター教徒
- バイセクシュアル
- 45歳の時にエイズにより死亡
フレディー・マーキュリーはエキセントリックな人生を送った人なので、それを忠実になぞるだけでも充分ドラマチックになるよね…って感じだ。
ボヘミアン・ラプソディ
ボヘミアン・ラプソディ | |
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Bohemian Rhapsody | |
監督 |
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脚本 | アンソニー・マクカーテン |
原案 |
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製作 |
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製作総指揮 |
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出演者 |
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大評判の映画だけど、ストーリー的には意外と普通。
「アーティストの栄光と挫折と死」と言うテーマはこれまでも何度となく映画化されてきているけれど、他の作品と大きく変わる部分は特にない。
感想
『ボヘミアン・ラプソディ』のストーリーをザックリ説明すると、たった4行で終わってしまう。
- 仲間との出会いとバンドの成長
- 性的マイノリティとしての悩み
- 人気絶頂期と仲間との決裂
- 仲間との和解と死
だけど、そんな映画が大評判になっちゃったのが凄いって話だ。
この映画の何が凄いか。結局のところ、Queenの音楽が入るから良いってところに尽きる。
最初にそれを感じたのはCMでも使われている事で知られている『ウィーウィルロックユー』誕生のエピソード。観
客の足踏みと手拍子が入るこの曲は、実に素晴らしい。
客席一体型のパフォーマンスを最初に思いついた人って凄いと思う。
ウィーン・フィルハーモニーのジルベスターコンサートでも、最後に『ラデッキーマーチ』が演奏されて、観客が手拍子を入れるのだけど、あれは物凄く物上がる。
『ウィーウィルロックユー』もそれと同じで、参加すること意義がある系の曲だと思う。
そして最高に盛り上がるのは1985年のライヴエイドの場面。
映画はこのライブの場面で締められるのだけど、とりあえずこの場面だけでも「ああ…観て良かった」と思ってしまうほど盛り上がる。
これは物語の力ではなくてQueenの音楽あってこその力技だと思う。
実際、脚本自体はそんなに良いとは思えかなかった。
中でもフレディ・マーキュリーの人間関係や恋愛の描き方は雑過ぎると言っても良い。
特にフレディ・マーキュリーを看取った恋人とフレディー・マーキュリーの描き方は「えっ? いつの間にそこまで心が結ばれたの?」って思ってしまった。
要するに「行間、読め」みたいな事だと思うのだけど、それにしても酷い。
絶賛されている作品だけど、作り的には雑過ぎると言っても良いと思う。
それを「細けぇこたぁ、いいんだよ。とりあえずQueenの音楽聞きとけよ」みたいな勢いで押し切っちゃったところが素晴らしい。
Queenをよく知らない私が観ても心熱くなったのだから、Queen世代の人達がハマるのは無理もないと思う。実際、私も「もう1回観たい」と思ってしまったほどだ。
2018年に観た映画の中で最高に熱くなれた映画だった。