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日本博物館事始め 西山ガラシャ 日本経済新聞出版社

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前知識無しで題名借りした。

題名から「博物館を創立する物語」である事は推察出来るので、ちょっと読んでみたいかな…と。

西山ガラシャは初挑戦の作家さんなので、読後調べてみたところ作者は日経小説大賞を受賞して、プロとしての仕事はこの作品が1作目とのこと。

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日本博物館事始め

御一新とともに、寺や城は壊され、仏像や書画骨董が海外に流出していく。

「日本が生き残る道は西洋の物真似しかない」と多くの人は信じているが、文明開化の時勢に流されて、日本の美と技をうち捨ててはおけぬ。

自分一人でもミュージアムを創る。留学中に観た大英博物館のような―旧物破壊・廃仏毀釈の嵐に抗い、新政府内の政争に巻き込まれながらも、粘り強く夢を実現させた官僚、町田久成。

明治150年を前に贈る、日本文化の維新の物語。

アマゾンより引用

感想

東京国立博物館を創設するまでの物語。

明治維新の世の中では「日本が生き残る道は西洋の物真似しかない」と言う考えが主流になっており、西洋に追いつけ追い越せの制作が取られる中、貴重な仏像や書画、骨董などが海外に流出していくのを憂い、主人公の町田は「日本の美」を守るべく奮戦する。

あらすじを聞くと心熱くなるような内容なのだけど…残念ながらビックリするほど面白くなかった。

まぁ…国語の教材を読んでいると思えば読めなくもない。

これと言ってマイナスなところも無いし「事実を学ぶ」と言う意味では有意義だと思う。

「明治時代にこんな事があったんだなぁ」言うところを学ぶのなら、悪くないと思うのだけど、いかんせんこの作品には小説を読む楽しみがないのだ。

私がのめり込む事が出来なかったのは主人公の情熱が伝わってこなかったと言うところだろう。

登場人物が多いので仕方がないとは言うものの、全員キャラクターがやたら薄い。

登場人物に魅力がなくても面白い小説は沢山あるし、題材が地味でも吉村昭のように鬼のように下調べをした上で、読者を圧倒するレベルで事実を突きつけてくれば、地味だろうが登場人物が多かろうが夢中で読めると思う。

この作品からは熱さが欠けているのだと思う。

事実を追うのか、ドラマを追うのかがどっち付かずになってしまった印象を受けた。

真面目な内容なのだけど、文章は軽くて読みやすい。それだけに上滑りな印象が目立ってしまったのだと思う。

文章が悪いとも思わないし、題材が悪いとね思わない。

西山ガラシャと言う作家ににこのテーマってミスマッチだったんじゃないかと思う。

読後「東京国立博物館を創立した人は偉かったんだねぇ」と言う小学生並の感想しか出てこないのだ。

博物館が好きな人はそれなりに面白いかも知れないけれど正直あまりオススメ出来ない。

悪くはないと思うのだけど、どうにも残念な作品だった。

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