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恋愛小説 椰月美智子 講談社

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初めて読んだ『伶也と』がぶっ飛んだ恋愛小説で気に入ったので、題名を見た瞬間「これは期待せざるを得ない」と張り切って読んでみた。

しかし、残念なことに私には全く面白くなかった。

ザックリと解説すると貞操観念の緩い若者達の恋愛模様ってところだろうか。非モテ属性の私には到底理解出来そうにもない世界だった。

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恋愛小説 椰月美智子

23歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。

――しかし、ついサスケと寝てしまった。健太郎と一緒にいるのが絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。

それでも、サスケのことも好き――そんな身勝手な美緒とサスケの恋は、次第に様相が変わる。

アマゾンより引用

感想

主人公は彼氏がいながら、別の男性に浮気。

その友人は不倫。同僚は処女喪失後、変なスイッチが入ってしまって社内男性と手当たり次第関係を持つ。

登場人物の大半が俗に言う「尻軽な女」ばかりで、読んでいて胸焼けしそうだった。

しかし、この作品をツマラナイと感じた根本的な理由は奔放な恋愛や貞操観念の欠如した若者の姿ではない。どのエピソードも、どこかで聴いた事があるような安っぽい話ばかりなのが問題なのだ。

作品の中に登場するエピソードの数々は会社の給湯室や居酒屋で聞けばそれなりに盛り上がる面白いネタだと思う。しかし、それをそのまま小説にしてたところで安っぽい話にしかならないのだ。

例えば私が登場人物の1人と知り合いだったら、ビックリもするし親身になって話を聞くと思う。

もしかしたら苦笑いで話だけ聞いて「この人は色々厄介そうだから、これからは関わらないようにしよう」と相手と距離を置くかも知れない。

現実の話なら衝撃的だと思う。

しかし、これは小説なのだ。もっとビックリさせてくれるか、そうでなければ共感できる人物の書き込みでが無ければ、薄っぺらな印象しか残らないのだ。

「リアリティのある恋愛譚」と言えばそうなのかも知れない。

日本中でこの作品に登場するような恋愛がらみのドラマが起きているのだとは思う。

だけど、それならそれでもうひと捻り欲しいところだ。正直、今回はガッカリだった。次の作品に期待したい。

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