私がこの読書サイトをはじめて来年で14年目に突入する。
このサイトの取り柄と言えば長続きしている…って事。率直に言って弱小サイトだ。しかし、あくまでも趣味として続けているので特に問題は感じていない。
それよりもサイトを通じて普通に暮らしていたら知り合えなかった人と知りあったり、友人が出来たりした事を何より嬉しく思っている。
コメントも欄も掲示板も無いけれど、たまに「私もこの作品、大好きなんですよ」とメールを戴いたりする事もあって「私は良い趣味を見つけたな」と満足している。
しかしWEBに文章を書くのは良い事ばかりではない。
特に本の感想についてはその作家さんの友人だのファンだのを名乗る方から「こんな酷い感想は削除してください」と言われる事もあったりする。
その場合は一貫して
- 感想は削除しません
- 作家さんを応援したいならご自分でブログなりサイトなり作ってください
……と返信している。
これは個人的な意見なのだけど、世の中には沢山の本が出版されているけれど「絶賛される本」や「酷評される本」よりも「可もなく不可もなく」な本の方がずっと多い。
そして残念ながら「可もなく不可もなく」な本は間違いなく人の記憶から消えていく。
誰にも注目される事なく消えていくよりも、酷評でもちゃんと感想を書いてもらえる方がいいんじゃないかな……と思う。
さて。ここまでは前置き。本題はここから。
実はこの年末の押し迫った時にサイトがらみで厄介な問題が起こっている。
なんと作者本人から「感想を削除してください」と苦情が来たのだ。
長年サイトをしていると厄介な問題の1つや2つは経験してきたつもりだけれど今回は最高に驚いた。ファンや友人ではなく作家本人から削除依頼が来るなんて。
実際、私はその作品について酷評しているし「この作家の作品は二度と読まない」とさえ書いている。作者のメールによるとそれは8年前の事らしい。
実際、私はそれ以降作者の作品を読んでいないし、作者がどういった活動をしていたのかも全く知らない。
ちなみに、私の感想が突拍子もないほど酷いのかと気になったのでアマゾンのレビューを調べてみたけれど、評価は二分していて私と似たような感想を持った人もいるようだ。
しかし作者は新刊を発売する事になり、私のサイトに酷評があるのは迷惑だと言うのだ。
私の書いた文章に深く傷つけられたとも。私にはあずかり知らぬ事だけど作品名で検索すると、私の感想が検索結果の上位に来てしまうらしい。
作家本人から「酷評を削除してください」と言ってくるなんて、一般的によくある事なんだろうか? しかもプロの書評サイトではなく個人の弱小サイトに。
正直、感想を消すのは良いけれど、作家が読者サイトに突撃して削除依頼をするのはルール違反ではなかろうか。
メールを読む限りでは「厄介な人」のようなので頭を冷やして戴きたくて、メールが作者本人である事は承知の上で「作者ご本人かどうか確認したい(なりすましも否定出来ない)ので、出版社公式Twitterアカウントを通じて担当者さんからDM(ダイレクトメッセージ)を送ってもらってください」と返信しておいた。
「担当者から連絡してもらいます」とのことで、今のところ「担当者からの連絡待ち」という状態。出版社の方がなだめてくださる事を熱望している。
言い訳がましいようだけど、このサイトは有名でもなんでもない。
しかもこの春に独自ドメインを取得してサイトの引越しをしているので検索エンジンからの評価は決して高いとは言えない。
ドメイン力のある書評サイトか、もしくはプロの書評家にお願いして気の済む書評を書いてもらって、このサイトの感想が検索結果の下位にくるよう仕向ければ良いのに……と思う。
私も独身で今より読書にガツガツしていた頃なら頭にきて作者の名前を公表してTwitterに経緯を垂れ流し炎上する方向に持っていったと思う。
だけど今はそこまで暇じゃない。
まるで恨み節さながらの熱いクレームメールに対応するは面倒だし、何よりも厄介事には巻き込まれてくない。
売られた喧嘩なら受けて立つ準備はあるが、自分や家族の事に手一杯で余計な時間は割きたくはないのだ。
たぶん、この問題は年を越すことになると思う。自分でどうにかしなくちゃいけいな事なのは分かっているし、そう深刻にも思っていないのだけど愚痴りたくて書いてみた。どう転んでも結果はまた報告します。
【追記】
現時点では穏便に済ませたいと思っているので作品名、作家名は公表しません。こじれたら何某か考えるかも。
この件については決着がつきました。
『作家本人から感想の削除依頼がきた件についてのその後。』に経緯を記してあります。