昨年末、日記に作家本人から感想を削除して欲しいとメールが届いた…って話を『本の感想。WEBに酷評をアップする事のリスク。』で書いたのですが「その後どうなっているの?」と気にかけてくださっていた方もおられるかと思います。
今回は話が片付いたので、そのご報告です。
先日、出版社から「削除依頼を取り下げます」との謝罪メールが届きました。
正直、今回の事はグダクダになっていくと思ってたので自分でも吃驚しています。
一応、穏便に話がついてたので作者の名前等は公表しませんが、ここに読みに来てくださる方の中には私と同じようにWEBで本や漫画の感想を書いている方もおられるかと思うで、今後の参考になれば…と思い、経緯を書いていきます。
作家本人からの削除依頼
事の始まりは『本の感想。WEBに酷評をアップする事のリスク。』に書いた通り、作者本人からメールが届いたところから。
最初のメールが届いたのが12月26日。
出版社から出版社メールが届いたのは2月22日ですから、随分長引いてしまいました。
最初に「作者ご本人かどうか確認が取れないので出版社の担当者から連絡してください」と書いたのですが「当時の担当者は別の出版社に移動しているので、その人から連絡してもらいます」と連絡がありました。
その後一向に連絡が無かったので「出版社の人が説得してくれたんだな」と思っていたところ、年が明けてから再度作者から連絡がありました。
作者の話によると当時の担当者は体調不良を理由に対応してくれないとのこと。でも「必ずにどうにかします」とも。
私としては「フェードアウトで終わった話」だと思っていただけに、1ヶ月も経ってから蒸し返されるのは本意ではなく「もう対応するのも面倒臭いし、言われるままに削除しようかな」と言う考えがチラリと頭をよぎったりもしたのですが、どうにも納得がいかず、尊敬している友人に相談して少し頭を冷やすことにしました。
私にとって楽なのは、作者に言われるがままに感想を消すこと。
私にしても思い入れのある文書ではなく1冊しか読んでいない作家の作品なので消したところで困る事は何ひとつありません。
だけど、他人から言われて削除するのは癪に障ると言う気持ちが強かったんです。結局のところ「負けたくない」と言う気持ちの方が強かったようです。
納得のいかない話には応じられません。
……とは言うものの、最初に「出版社を通じて連絡してください」と書いてしまった手前、ある程度こちらからも動かなければいけないかな……と、私から直接出版社にメールで問い合わせてみました。
問い合わせ内容は今回の経緯を説明した上で「作家ご本人と出版社の希望なら、記事に経緯を書いた上で感想を削除します」と言うもの。
しかし出版社からの返事は届きませんでした。(一応、窓口サイドでは1週間内に返信が来ることになっていました)正直、面倒な話なので相手をしたくないのは分かります。ですが「対応いたしかねます」だったとしても、返信しないのはどうなの?…って話です。
出版社が面倒見るような問題ではないのかも知れないけれど、私も突然知らない人から、恨みがみしいメールが送られてきて迷惑しているのです。
途中までは「出来るだけ穏便に解決したいな」と思っていたのですが、この時点で「もう、どうにでもなれ」って気持ちになり腹をくくりました。
作者には「本人確認が出来ない以上、感想削除することは出来ません。今後、このメールアドレスから届くメールは迷惑メールとして処理します。以降、メールには目を通しませんし、返信もしません。出版社を通じての連絡のみ対応します」と通告して、作者からのメールは迷惑メールに設定。
出版社が本気で何かしてくるなら、それはその時考えよう……と放置することに。
そして1週間後に事態は急展開。出版社から謝罪メールが届きました。要約するとこんな感じ。
- 問い合わせしてもらった件だけど作者本人からの依頼でした。
- 正直すまんかった。削除依頼は取り下げます。
今回の問題はグダグダのまま解決しないか思っていたので拍子抜けしました。
恐らく作者に対して「迷惑メールに設定するので返信しません。出版社を通じて連絡してください」と言った事で、作者が出版社に対応を求めたのだと思います。そして出版社が作者を説得したのかな……と。
結局、こうなるなら、出版社が最初からしっかり対応してくれていたら……って話です。
言うものの、とりあえず一件落着。
今だから言える事ですが、ムカついて「何もかも公表して炎上させてやろうか」なんて考えがチラリと頭をよぎった瞬間がありました。
酷評しておいて偉そうに言えた立場ではないのですが、私の書いた文章は「アマゾンの星1個の評価」レベルに相当するもので、削除する必要があるほど酷い内容とは思えません。
実際、出版社サイドも「削除の必要は無い」と思ったからこそ謝罪してきたのだと思います。
そして、いくら感想が気に食わないからと言って個人サイトに突撃するなんてプロの作家がすることじゃありません。だからこそ最終的には出版社からストップが入ったのでしょう。
滅多にない事例だと思うのですが、もし、これを読んでくださっている方が同じような事に遭遇する事があれば「本人と直接話をしない」事をオススメします。
変なテンションになっちゃってる人には、なかなか話が通じません。
出版社を通じて対応してもらってください。私も最初にそれを試みたのですが、作者を通してそれを求めたのが間違いでした。
今回の場合、作者には「出版社を通じて連絡してください。個人的に対応する事は出来ません」と伝え、それと同時に出版社に対しても自分で経緯を説明しておけば、スムーズに話が進んだのではないかと思います。
時間がかかってしまいましたが希望通りの着地点に落ち着いてくれてひと安心です。
今回の事については私自身、色々と考えさせられました。まだちょっと書き足りないのですが、今日のところはご報告まで。