私のパート先である放課後等デイサービスってのは障害を持ったお子さんが通う学童保育のようなところだけれど、学校に併設されている学童保育とはシステムが随分と違っている。
利用したいと思ったら、自治体に申請して『受給者証』ってのを発行してもらわなければならない。
『受給者証』は障害者手帳が無くても出してもらえるので、発達障害等、軽度の障害を持っている方でも利用可能。いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる状態でも大丈夫。
利用する場合、保育園のように自治体に申し込んで抽選……みたいな感じじゃなくて一般の習い事や塾のように保護者が自分で事業所に出向いて契約するスタイル。
ちなみに利用料金はこんな感じ(令和2年現在)
- 生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円
- 前年度の年間収入がおおむね890万円以下の世帯: 4,600円
- 上記以外(前年度の年間収入がおおむね890万円を超える世帯): 37,200円
これ以外に、おやつ代や制作物の材料費等がかかることもあるけれど、一般的なサラリーマン家庭だと普通の習い事をさせたり、一般の学童保育に入れるよりも安価で利用出来る。
昔は放課後等デイサービスの数が少なかったので、より好みは出来なかったようだけど、最近は放課後等デイサービスの数が増えているので「利用者が選ぶ時代」に突入。
放課後等デイサービスも事業所ごとに独自カラーを出していて、保護者は自分の都合の良いサービスを提供してくれる放課後等デイサービスを選ぶことが出来る。
- 音楽や英語等のプログラムがある
- 学校のない日は朝早くから預かってくれる
- 昼食サービス(実費)がある
- 夕食サービス(実費)がある
- 入浴サービス(実費)がある
- 遅い時間まで預かってくれる
- 日曜日も預かってくれる
私が働いている放課後等デイサービスでは毎日利用されるお子さんもいるけれど「週に1回だけ」とか「週3回だけ」と言った形で利用される方も多くて、長らく不思議に思っていた。
「重度の障害のあるお子さんの場合、慣れたスタッフにケアしてもらう方が良いんじゃないの?」って。
だけど放課後等デイサービスにも事業所ごとに色々と特色があることは知っていたので「もしかしたら習い事感覚で気分を変えたいのかな?」と一人で勝手に納得していたのだけど現実はまったく違っていた。
保護者にとってより便利な放課後等デイサービスが選ばれる!
ザックリ言うと、ご家庭によっては「朝早くから夜遅くまで預かってくれて、夕食サービスもあって入浴サービスもあって、何なら日曜日も預かって欲しい」みたいな希望をされる方もおられる…ってこと。
正直、微妙な気持ちになってしまったよね。「寝る時以外は全部外注とか、それって家族と呼べるの?」って。
私とて土曜預かりや日曜預かりの必要性は理解している。
障害を抱えたお子さんを育てるのは本当に大変で、親だって心身とも休息が必要なのだ。ましてや他に兄弟がいる場合「障害をもった兄弟抜きでのお出掛け」をする日があっても良いと思う。
だけど、そう言った理由じゃなくて「もう、ずっとお任せしたいんですけど」みたいなご家庭があるのも現実なのだ。スタッフとしては正直、ちょっと哀しい気持ちになってしまう。
放課後等デイサービス…実際に働いてみると、闇深い部分が多くてメンタル強くないとやってられないかも知れない。20代、30代の私なら無理だった気がする。
テレビ等で「障害を持ったお子さん」が映される時はどうしても美談が多くなるけど、美談ばかりでは済まされない。
コロナで自粛を余儀なくさせられていた時も「在宅勤務になったので利用しません。学校も休みなので家で過ごさせます」って親御さんもいれば、利用しなくてもやっていける状況でも「放課後等デイサービスが休みになったら困るんですけど」と詰め寄ってくる親御さんもいた。
放課後等デイサービスで働いてみて思うのは福祉の仕事に携わるなら「これは仕事だから」と、一定ラインで割り切る心が絶対に必要だってこと。
人間らしい心がなければやっていけない職場だけれど、あまり思い入れ過ぎても駄目。
私はどれくらいの期間、放課後等デイサービスで働くのか分からないけれど、とりあえず今のところは辞める気もないし、頑張っていきたいと思っている。続きを読む→放課後等デイサービスの感染症対策。