娘、小学校6年生。少し前の日記で「PTAの学級委員をする事になってしまった」って話を書いたのだけど、あれからずっとモヤモヤしていた。
詳しい経緯を割愛してしまったので、日記を読んでくれている方に私のモヤモヤは伝わり難いと思うけれど、私がモヤモヤしている原因は規定のルールを捻じ曲げて押し付けられたところにある。
私は積極的にPTA活動に関わっていきたいタイプではないけれど、そうかと言ってアンチPTAって訳じゃない。娘が学校やPTAの活動にお世話になっているの事は理解しているので「筋道を立てて決められたこと」については、粛々とこなすつもりでいる。
だけど「コイツなら文句言わずにやるだろう」的なノリでもって、前代未聞の方法で押し付けられたとなれば話は別だ。正直、今回は頭にきたので「PTAなんて懲り懲りだ。中学校はPTA非会員で通そうかな…」くらいに思っていた。
そんな中、仲良しのお隣さんと話をする機会があったので、今回のPTAのことについて愚痴を聞いてもらった。お隣さんのお子さんは大学生と高校生。今までずっと子育て先輩として、何かにつけて私にアドバイスをしてくれる。
お隣さんは今回のPTAの役員決めについてもアドバイスをくれた。
- 毎年、PTAの役員決めはどこかの段階で荒れる。
- 6年生の学級委員は他の学年より大変なので誰でも良い…って訳じゃない。
- 本来、学級委員にならなきゃいけなかった人はグスだった可能性がある。
- 押し付けてきた側に思いやりがないとは思うけど、仕方がなかったのかも。
……それについては私も薄々分かっていた。
6年生の学級委員は基本的に「6年間何もしなかった人やってもらおう」って事になっているけれど、残っているのは「PTA活動なんて死んでもやりたくない」と思っている人ばかり。だから私が押し付けられた。
そしてお隣さんはさらに言った。
うちのご近所さはPTAの役員押し付けられるタイプの人ばっかりなのよね。毎年、この時期は誰かがブチ切れてるわ。
お隣さんの言葉を聞いて「ハッ」っとした。
思えば、近所で仲良くしてくれている子育て先輩方は1人残らず何らかの形でPTAの仕事を押し付けられている。
そして、たまたま…なのかも知れないけれど、ご近所に住む子ども達はイマドキ珍しい良い子揃い。私が憎んでやまないヤンキーなんて1人もいないし、常々「娘もあんな風に育って欲しい」と思っている。
「親が親なら」という言葉もあるけれど、ご近所さんの子ども達が良い子揃いなのは、親がしっかりしているからだと思う。
結婚して、今の家で暮らすようなってからと言うもの、我が家はクレーマーの隣家を除けばご近所トラブルに遭遇した事は1度もない。
むしろご近所のみなさん「真面目か!」くらいの人達で、常識的で穏やかな毎日を送っている。私は今まで、その事について当たり前のように思っていたけど、よくよく考えてみればこれって当たり前の事じゃない。
私はこれから先も「こちら側の人間」でいたいと思うし、娘にもご近所のお子さん達のように良い人間に育って欲しいと思っている。
学級委員くらい気持ち良く引き受けようじゃないか。たぶん、これは自分のためだ。
……と、そんな事を考えていたら、三浦綾子の『続泥流地帯』の拓一の生き方がフッと脳裏をよぎった。
『続泥流地帯』で「真面目に生きるのが馬鹿らしい」語る弟の耕作に対して、兄の拓一は「俺は、もう一度生まれ変わったとしても、まじめに生きるぞ」とキッパリ言い切っている。
学生時代に『続泥流地帯』を読んだ時は「はいはい、理想論ですね」みたいに思っていたけど「生まれ変わったとしても、まじめに生きるぞ」って考え方は長い目で見れば「損」とは言い切れない気がする。
「こちら側の人間」でいるためには、時として損クジを引く事があるかも知れない。だけど、それは決して損じゃないのかもな…なんて事を思ったりした。
…たぶん。知らんけど。