題名と表紙に惹かれて、図書館でジャケ借り。
「スマホに見られている」と言う自覚を持った事は無いけれど、言われてみればそうなんだなぁ…と感心してしまった。
日常生活がテーマのエッセイ集だった。実のところ良かったのは題名だけで、私にはイマイチ楽しむ事ができなかった。
あなたがスマホを見ているときスマホもあなたを見ている
しっかり立ち止まり、ぼんやり考えよう。
芥川賞作家による讀賣新聞の人気連載が一冊の本に! ありふれた日々の暮らしにスパイスを振りかける珠玉のエッセイ69選
アマゾンより引用
感想
藤原智の作品はこれを読むのが初めてだけど『運転士』で芥川賞を受賞している。
小説家だけど、どちらかと言うとエッセイの方が認知度が高い気がする。
少し前にブームにっなった『暴走老人!』の作者だと言うと「なるほど…」とピンとくる人も多いかと思う。
作者は 1955年生まれで日付未入力。
世代的に仕方がないのかも知れないけれど、インターネットとの関わり方等、考え方が今の時代に合っていない気がした。
もちろん、何でもかんでも時代に迎合するのが良いとは思っていない。だけど、なんだろうなぁ…「言ってる意味は分かるのですが、それって今の若者には無理なんですよ」って気持ちになってしまった。
私は若者世代ではないけれど、若者世代が読んだら私以上に違和感を覚えると思う。
なんとなく読むエッセイの場合、よほどエッセイを得意としている人でもない限り、ある程度世代が同じ人が書いた物を読んだ方が面白いのかも知れないな…と思ったりした。
以前、佐藤愛子のエッセイを読んだ時に「ああ…老害ってこういう事を指すんだな…」と思った覚えがあるけれど、この作品にもそれに近い物を感じてしまった。
ただ、これって世代的な感覚や考え方、生きてきた境遇の違いによるものなので、作者と似たような世代や境遇の人が読めば感想が違ってくると思う。
私には楽しむ事が出来なかったけれど、文章自体は読みやすいし、病院の待ち時間等にサクッと読むには向いている1冊だと思う。