お正月、TSUTAYAで借りてきた『カメラを止めるな!』を視聴した。
『カメラを止めるな!』は2017年の秋に公開された作品。
やたら評判が良いのに「ネタバレしちゃ駄目」と言う流れになっていて、どんな映画か全く知らない状態で挑んだ。
監督の上田慎一郎はこの作品が初の長編映画とのこと。
初の長編映画でここまでヒットしちゃうだなんて、なんと言う快挙!
- 予算は約300万円
- 俳優はオーディションで選ばれた無名の人メイン
……と言う無い無い尽くしの状態で作られている。
若い監督さんがどんどん世の中に出てくるのは嬉しいことだ。
カメラを止めるな!
さて、この映画。どうやって感想を書いたものかと悩ましい。
ネタバレしちやったら全てが台無しになってしまうのでネタバレ無しでいこうと思う。ネタバレが読みたいかたは「ネタバレ注意」のブログかサイトで顛末を読んで戴きたい。
カメラを止めるな! | |
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ONE CUT OF THE DEAD | |
監督 | 上田慎一郎 |
脚本 | 上田慎一郎 |
原作 |
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製作 | 市橋浩治 |
出演者 |
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音楽 |
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主題歌 | 謙遜ラヴァーズ feat.山本真由美 「Keep Rolling」 |
あらすじ
ザックリ説明すると、一応ゾンビ映画のくくりに入るのだと思う。
とある映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影している場面から物語がはじまる。
若い女性がゾンビになった恋人に襲われる場面で、監督はなかなかOKを出さず42テイク目に突入する。そんな時に撮影隊に 本物のゾンビがスタッフに襲いかかる。
大喜びで撮影を続ける監督、そして……
最初の印象は最悪…
この映画。導入部の印象は最悪だった。
「ちょっと待って。私、何か騙されてるの? この映画が絶賛されているとか、世の中の人はどうなってるの?」と真剣に思ってしまうレベル。
テレビ放送だったら途中で辞めていたかも知れない。
私の場合「せっかくお金出して借りてきたから最後まで観なきゃ…」と思って、途中で辞めなかったのだけど、辞めなくて正解だった。
この映画をテレビの放送で観る方に伝えたい。「冒頭は全く面白くないかも知れないけれど我慢して観てください」と。
ちなみに金曜ロードショーで近々放送されるとの事なので、冒頭部分でツマラナイと思っても、是非我慢して観ていただきたい。
この手法。連続ドラマだったら成功しなかったと思う。
お金を払って密閉空間で観る「映画」だからこそ成り立っていて、映画の特異性を存分に活かした作品だと言うところが何よりも素晴らしい。
伏線を回収していく楽しさ
最初の面白くないターンが終わった後で「あ。そう言う事だったのか」と納得のいく展開に突入する。
実は最初の「面白くないターン」には沢山の伏線が張っているのだ。観ている人間は「コレ、何なんなんだよ」とか「ふざけるなよ」と思うような場面が多々あるのだけど、それらは全部伏線なのだ。
映画が進んでいくにつれて「あ…そう言う事だったのか」と納得出来る仕掛けになっている。
面白くなってから「最初の面白くない部分にどれだけ伏線が張られていたのか」と言うところが分かってくるのだけど、疑問とモヤモヤが一気に解決していく爽快感はたまらないものがあった。
胸熱な展開!
伏線回収の爽快感だけでなく「1つ目標に向かって突き進んでいくチーム」の動きが素晴らしかった。
最初は反発しあっていた人間同士が、徐々に互いを認めあいゴールに向かって突き進んでいく姿は黄金パターンではあるのだけれど、やっぱり胸が熱くなる。
ラスト場面で私が人生のレベルで猛烈に嫌っているアレ(ネタバレになるのでネタバレNGの方はリンク先に飛ばないでください)が登場。
私はアレに関しては完全にアンチ派なのに「頑張れ!いいぞ!」と応援してしまった。
ピンチを乗り気ったあの発想。アレを経験したことのある日本人じゃないと思いつかないのではなかろうか?
とにかく発想が凄い!
「低予算で面白い映画を作る選手権」をすれば間違いなく優勝だと思う。
私は自宅の居間でDVDを借りて観た訳だけど、どうせなら映画館で観たかった。
迫力のある映像云々…と言うタイプの映画ではないのだけれど、ここまで「映画」を意識させてくれる映画は滅多にないし、だらこそ「映画館で観たかったな」と思ってしまったのだ。
お正月に観るのに相応しい、大満足の1本だった。