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映画『くちびるに歌を』感想。

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市の映画会で『くちびるに歌を』を観てきた。

『くちびるに歌を』はアンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」中田永一の小説を実写化した作品。

アンジェラ・アキは個人的には馴染みが薄く「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」にしても「最近の中学校の卒業式で歌われがちな歌」くらいの認識しかなかった。

しかし、あらすじを読んでみるとそろそろ思春期に突入しかけている娘にはドンピシャな作品かも知れないな…と言うことで、参加を申込んでみたのだけれど予想外に良くて、涙腺のゆるくなっている私はみっともないくらいに泣いてしまった。

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くちびるに歌を

くちびるに歌を
Have a song on your lips
監督 三木孝浩
脚本 持地佑季子
登米裕一
原作 中田永一
製作 長澤修一
水口昌彦
都築伸一郎
中村理一郎
製作総指揮 豊島雅郎
出演者 新垣結衣
木村文乃
桐谷健太
恒松祐里
井川比佐志
音楽 松谷卓
主題歌 アンジェラ・アキ
「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」

ザックリとこんな作品

  • 原作はアンジェラ・アキの『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』をモチーフに書かれた中田永一の青春小説が原作。
  • 『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』はNHK全国学校音楽コンクールの課題曲にもなっている。
  • 舞台は長崎県・五島列島のとある島の中学校。
  • 合唱部顧問の代用教員として、ピアノを捨てた元ピアノの柏木ユリが赴任してくる。
  • 物語が進むにつれ合唱部の部員と、柏木ユリのだけでなく、合唱部員達それぞれが抱える問題を丁寧に拾っていきつつ、合唱部が一丸となってコンクールを目指す。

感想

離島を舞台にした真っ直ぐな青春映画に仕上がっていた。

もしかすると映画公開当時はヒロインの新垣結衣が話題になったのかな…と思うけれど、中学生達の描き方に好感が持てた。

中学生の女の子主人公ポジションは祖父母に育てられている少女。母親を亡くし、父親は自分を捨てて女と逃げた…と言う過酷な設定。

男の子主人公ポジションは美しいボーイソプラノを持つ少年なのだけど、自閉症の兄の世話をするために今までクラブ活動をした事がなかった。

登場人物達は皆それぞれにままならぬ悩みを抱えて生きている。

作品の中で15歳の少年少女達が懸命に現実と向き合っていく姿は健気でたまらぬものがあった。同世代の子ども達が観れば共感を持てるだろうし、大人でも「あの頃自分はどうだったっけ?」と思いながら、あるいは登場人物達に我が子を重ねながら観てしまうのではないかと思う。

中学生達の健気さと爽やかさだけで充分満足出来る作品だと思うのだけど、あえて何か突っ込むとすれば登場人物達がみんな良い子過ぎかな…とは思った。

いくら田舎の中学生設定とは言っても、綺麗事過ぎる気がした。

そして、もっと残酷な事を言うならば「この後、この子達はどうなっちゃうの?」と言う心配もある。

良い感じにまとまってはいるものの、大人目線で観ると主要登場人物達の行き先はそこまで明るいものではないんだろうな…と言うとこがチラ見えしてしまうのが少し残念に思う。

新垣結衣を筆頭に、脇を固める大人達の演技も素晴らしかった。特に良かったのは木村文乃。木村文乃に不幸な女を演じさせたら天下一品だと思う。

音楽系部活物としても素晴らしかった。

部活物と言うと、運動部の方が物語を作りやすいので、何かにつけて運動部をテーマにした作品が多い。

そこをあえて「合唱部」で攻めてきたところは好感度が高い。

実のところ文化部の中でも合唱部と吹奏楽部は「文化部の中の体育会系」と呼ばれる部活なので「仲間・友情・涙」が使いやすいのだ。

部活物のテンプレを上手いこと活かせていたし、なんだかんだ言って合唱ってところにグッっときた。合唱にはプロの歌手の歌にはない魅力があると思うのだ。

青春映画が観たいと言う方に是非オススメしたい。

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