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映画『ベイブ』感想。

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大阪市立子ども文化センターの映画会で『ベイブ』を観てきた。

1995年のアメリカ映画で公開当時はそこそこヒットしていたように思う。私は映画館では観なかったけれど、テレビで観たことがあり、大好きな作品。娘も好きだろうな…と言う予感があったので申し込んでみた。

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ベイブ

Babe
監督 クリス・ヌーナン
脚本 ジョージ・ミラー
クリス・ヌーナン
原作 ディック・キング=スミス『The Sheep-Pig(英語版)
製作 ジョージ・ミラー
ダグ・ミッチェル
ビル・ミラー
出演者 ジェームズ・クロムウェル
マグダ・ズバンスキー
音楽 ナイジェル・ウェストレイク
主題歌 Mice『If I Had Words』

感想

今回の感想はネタバレ前回でお届けするので、ネタバレが苦手な方はご遠慮ください。ただ、映画の性質上ネタバレ云々は視聴するのに関係ないかな…とは思います。

ひとことで言うと子ブタを愛でるための映画だ。

ブタと言うとデブで愚鈍で醜い家畜…と言うイメージがあるけれど、実際のブタは実に可愛い。

私も幼稚園の遠足で本物のブタ見るまでは、絵本で描かれるブタのイメージしか持っていなかったため、ブタの可愛さが分からなかった。

しかし、私は自分の目でブタを見たことで考えが180度変わった。ブタは可愛い。子ブタともなればさらに。あの可愛さに抗える人間なんているんだろうか…と思うほど猛烈に可愛い。

実際、ブタは様々な映画で「可愛い生き物」として登場する。『ロッタちゃんのはじめてのおつかい』でロッタちゃんが愛していたのは「バムセ」と言う名前のブタのぬいぐるみだった。

宮崎駿アニメ『未来少年コナン』には「ウマソウ」と言う名前のブタが登場する。『ルディ~夢はレースで一等賞!~』と言うアメリカ映画では子ブタのルディが大活躍する。

そして、この作品のベイブである。

主人公の子ブタは食肉用のブタとして育てられるのだけど、ひょんな成り行きで農場で飼われることになる。

農場でブタは「馬や牛、犬や猫とは違う食べられるための家畜」として扱われるのだが、牧羊犬に育てられたベイブは牧羊犬ならぬ「牧羊豚」としての生きる道を選ぶ。

これは子ブタのシンデレラストーリーと言っても良い。シンデレラの基本を地で行く構成になっていて、山あり谷ありの末、ベイブは栄光を掴み取る。

「子ブタ可愛い~」だけで観ても充分に面白いのだけど、大人目線で見ると思いの外ストーリーが意外としっかり出来ていて感心させられる。

農場において羊と牧羊犬は敵対関係にある。

羊は頭が悪くい動物とされていて、犬と羊は分かり会えない。羊は時折、自分達を噛み付く犬を憎んでいるし、犬は羊を「話の分からない馬鹿な生き物」とだと思っている。

しかし子ブタのベイブは違うのだ。羊に対して丁寧に話しかけることが出来るし、犬とも気持ちを通わせることが出来る。

ベイブが牧羊豚として活躍出来たベースにあったのは「羊との対話」であり、ベイブが有能だったから…と言う訳ではない。むしろ、ベイブは作品の中で「善良なお人好し」として描かれている。

「善良なお人好し」がヒーローになるのはアメリカ映画のテンプレートの1つだと思う。

『フォレスト・ガンプ』の主人公が優しい心で生き抜いたように、ベイブも善良な心でもって自分の運命を切り開いていく。「心優しい良いアメリカ人」はアメリカ映画に欠かせない存在だと言っても良い。

物語の途中までベイブを目の敵にしていた牧羊犬(ベイブの世話をしてくれた牧羊犬の夫)に隠された秘密も良く出来ていたと思う。彼もまた「不器用な良きアメリカ人」なのだと思う。

長々と理屈っぽい事を書いてしまったけれど、素直に楽しめる動物映画で子どもと見るのにオススメしたい。

余談だが、この作品の撮影には200匹以上の子ブタが必要だったとのこと。

子ブタの成長は早いので、映画を撮っているうちに大人になってしまうのだ。200匹以上の子ブタ達のその後についてはご想像にお任せしたい。

人間は映画を観て子ブタを愛で、そしてありがたく戴くのだ。この映画にはそんなテーマもちゃんと仕込んであるところが素晴らしい。

色々な角度から楽しめる良い作品だと思う。

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