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第三の嘘 アゴタ・クリストフ ハヤカワepi文庫

悪童日記』そして 『ふたりの証拠』に続く三部作の完結編である。

『悪童日記』で衝撃を、『ふたりの証拠』で新たな謎を『第三の嘘』でネタバレを…といシュチュエーションのようだが3冊はまったく別の作品だというふうに読んでも差し支えはないかと思う。

この作品ではたしかにネタバレ的なことが書かれているのだが前の2作に登場した双子と、この作品に登場する人物は別人。

またその他の登場人物も名前こそ同じだが、まったく別の人物となっている。

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第三の嘘

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ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子どもの頃の思い出の小さな町に戻ってきた。

彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前に別れたままの兄弟をさがし求める。

双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実と嘘とは? 『悪童日記』にはじまる奇跡の三部作の完結篇。

アマゾンより引用

感想

巻末の作者のコメント等によると、この作品は作者の亡命生活をもとにして書かれていて私小説の色合いが濃い……とのこと。

しかし、この作品を私小説と位置付けるのは安易だと思う。経験をもとにして世界観が作られたというのは納得できるのだが、だからといって、それと、これとは話が別ってものなのだ。

率直に言うと三部作のうちで、いっとう、つまらない作品だった。

凝った作りにはなっているし辻褄も合っているのだが「やり過ぎ」という印象を受けた。たとえ「やり過ぎ」であっても、もくろみが成功しているのなら目を瞑るが、この作品の場合は、あきらかに読者の気持ちを萎えさせたように思う。

何かを主張する読み物でもなくミステリでもなく中途半端なところで収まっているのが残念だ。

『悪童日記』で生き生きと動いていた「双子」の魅力に作者自身が翻弄されてしまったのだろうか?

一連の作品は三部作になっているが『悪童日記』だけで引き返しても良いかと思う。ただ本好きの性として、続きがあると知ったら読みたくなってしまうのが当然なのだが。

この作品の「オチ」の意味は理解できるのだが「それを言っちゃぁオシマイでしょう」と思ったりもした。

声を大にしてネタバレをしたいのだが未読の方のために伏せておきます。

あのオチは書き手のエゴではないだろうか? などと意地悪な風にも捉えることができる。『悪童日記』で、あれだけの世界観を築いてきたのに……と思うと残念でならない。

ただ、少し考慮に入れたいのは作者は『悪童日記』で無名から一躍作家になった人なので連作の形は出版社との絡みがあってのことではないかということである。

『悪童日記』が世界的なベストセラーになったことで二匹目、三匹目のドジョウを出版社が狙ったのではなかろうか……と。むろん、これは私の自分勝手な推測なのだが。

「奇跡の三部作」と銘打たれているが、私にとっては「尻すぼみ膝カックンの三部作」である。

読まずにはいられないので、読んだのだが、読んでちょっぴり後悔した1冊だった。

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