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びっくりドンキーの思い出。

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先日、数年ぶりに『びっくりドンキー』で食事をした。

私が最後に『びっくりドンキー』に訪れたのは娘が幼稚園の頃だった。

実母を交えた外出で他に選択肢が無かったために入店したのだけれど「ここのハンバーグ、あんまり美味しくない。お母さんのハンバーグの方が美味しい」と娘の評判が悪かったため、それ以降『びっくりドンキー』に入ることはなかった。

そもそも娘は外食が嫌いで『びっくりドンキー』に限らず、我が家は外食にほとんど行かない…って事もある。

しかし娘も成長と共に様々な味を受けれられるようになった。

乳幼児期は家で作ったもの意外は嫌がっていたけれど、小学校で給食を食べるようになってからは「外食の味はこんなもの。これこれでアリ」と言う感覚が芽生えてきたらしく、ファミレスとかファストフードもそりなりに喜んてくれるようになったため、満を持して外出した際に『びっくりドンキー』に入る事にしたのだ。

チーズ好きの娘は、チーズフォンデュハンバーグディッシュ。夫はチーズパケットディッシュ。私はおろしそバーグディッシュを注文した。

本当はビールも飲むつもりだったのだけど、生中の値段が840円と高価格だったためビールは断念。お高いレストランやお洒落なお店なら840円の生中も納得出来るけれど、リーズナブルなファミレスで840円の生中を頼む気にはなれなかったのだ。

娘は『びっくりドンキー』のハンバーグを気に入ったらしく、とろりとしたチーズかかったハンバーグを美味しそうに食べていた。

娘には「手作りの物が美味しい」と言う感覚は大事にしてもらいたいとは思うものの、なんでも美味しく食べられる人間であって欲しいと強く思う。

「家で作ったカレーは最高に美味しいけど、レトルトカレーもそれそれで美味しいよね」くらいの感覚を身につけていた方が人生を楽しめると思う。

それはさておき。数年ぶりに『びっくりドンキー』へ行った訳だけど、私は個人的に『びっくりドンキー』に対して並々ならぬ思い入れを持っている。

独身時代。父の会社が潰れて、数年後に父が肝臓と脳わずらって入院していた時、実家は貧乏のどん底だった。

私と弟が働いて生計を立てていたのだけれど、病院の支払いで湯水の如くお金が消えていった。高額療養費等はあったけれど入院する歳の部屋代等は自費だったし、実母は付き添いで病院に泊まりきりだったため、病院の食堂か外食するしかなく、実母の食費等にかかる費用も半端なかった。

私も弟も真面目に働いていて、それなりの稼ぎがあったにも関わらず、毎日お金の事ばかり考えて暮らしていた。

そんな私と弟の月に1度のお楽しみが父の見舞いの帰りに『びっくりドンキー』に寄ってハンバーグを食べることだったのだ。

実は私。その習慣が出来るまで『びっくりドンキー』に入ったことがなかったため、はじめて利用した時は「こんなに安くて食事が出来るんだ!」と感激した。

また、ワンプレートにご飯もハンバーグもサラダも乗っていることにも感心した。「なるほど…こうやって手間を省くことで安く提供している訳か」と。

席に座ったら何もせずに出てくる温かいハンバーグプレートは当時、私と弟にとって最高のご馳走だったのだ。

そして私は毎回思った。「お皿に何もかも乗ってるのって…なんだか、ちょっと犬みたいだよね…」と。当時はまだワンプレートなんて流行っていなかったため、皿に何もかも乗っかって出て来るスタイルだけはいつまで経っても慣れる事が出来なかった。

そんな私も今は『びっくりドンキー』のワンプレートを見ても「犬みたい」とは思わなくなっている。

そして何より実家を出て新しい家族で『びっくりドンキー』で食事が出来ると言う事実が嬉しくてたまらないのだ。

貧乏をこじらせていた頃の私と弟に幸せな食事を提供してくれた『びっくりドンキー』にはいくら感謝しても足りない。

なので私はこれから先も何かの機会があれば『びっくりドンキー』に足を運ぶだろう。

幸い、娘も『ぴっくりドンキー』を気に入ってくれたようなので、また家族で食べに行きたいな…と思う。

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日記
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