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意識のリボン 綿矢りさ 集英社

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拍子の可愛さに図書館でジャケ借りしてきた。

綿矢りさは2003年に『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞しているのでお若いけれど、すでに中堅作家さんって印象。

WEBには1冊しか感想を上げていないのだけど、他にも数冊読んでいる。感想を書いていないのは面白いと思わなかったから。たぶん私は綿矢りさと相性が悪いのだと思う。

ファンの人には申し訳ないのだけれど、どの作品を読んでも「はあはあ。そうですか」くらいの感想しか持てなかった。良くも悪くも意外性の無い話ばかりで私の好みじゃないらしい。

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意識のリボン

少女も、妻も、母親も。少女も、妻も、母親も。
女たちはみんな、このままならない世界をひたむきに生きている。

迷いながら、揺れながら、不器用に生きる女性たち。
綿矢りさが愛を込めて描く、八編の物語。

アマゾンより引用

感想

この本は「そう言えば最近、読んでなかったしもしかしたら面白くなっているかも知れない」と思って手に取ったのだけど、案の定さほど面白くもなかった。

ちょっとした日常を書いた短編集。

不思議要素の入った物語があったりするものの、ひねりがないので面白くない。良く言えば優等生的な短編集ってところだろうか。

しかしこの作品集の中には素晴らしい1文があったので、そこだけは評価したい。

私綿矢りさがこんなに楽しい文章を書ける人だとは思ってもいなかった。

その一文は『こたつのUFO』と言う作品の中にある。主人公が宇宙人に「おっぱい」について語った一文。

「自己セラピーななり得るほど偉大な力です。つらいとき、悲しいとき、女子、自分のおっぱいをもめ、と全女性にアドヴァイスしたいですね。男とか赤ちゃんだけに貸してあげるのじゃもったいないよ。大きい人も肩こりの原因だなんていまいましく思っていないでさ、恥ずかしがらず潔く、もんどけ!」

綿矢りさって、こんな楽しい文章が書ける人だったんだ!

「これからは悲しいことがあったら、おっぱいもんどきます!」と言いたいところだけど、残念ながら私は貧乳なので自分のおっぱいをもんでも、面白くも楽しくもない。

残念ながらその提案には乗っかっていけないまだけど、非常にインパクトのある文章だと感心した。

正直、私は作者に対して良い印象を持っていなくて「どうせ洒落乙で若い女性作家さんが書きそうな似たり寄ったりな感じの話ばっか書いてるんでしょ?」くらいに思っていたのだけれど、今回ちょっと見直した。

もっと勢いのある楽しい作品を書いて欲しい。「若い女性達から共感を~」みたいな路線じゃなくて、もっと弾けちゃってもいいんじゃないかと思う。

作品集としてはイマイチだったけれど、次作品が出たらまた読んでみたいと思わせてくれる1冊だった。

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