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ふじこさん 大島真寿美 講談社

表題作を含む短編3作からなる作品集。

どの作品も「少女」が主人公だった。小学生だったり、高校生だったり。「いまどきの」あるは「どこにでもいる」少女達。

同性の私が読むと甘酸っぱいような、気恥ずかしいような感情に襲われてしまった。

あの頃は、大人ぶって色々なことを考えてみたりするくせに、どうしようもなく子供だったりしたなぁ……と。

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ふじこさん

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離婚寸前の両親の間で自分がモノのように取り合いされることにうんざりしている小学生のリサ。

別居中の父が住むマンションの最上階から下をのぞき、子供の自殺について考えをめぐらせることがもっぱらの趣味。

ある日きまぐれに父の部屋を訪れると見覚えのない若い女の人が出迎えてくれて…。ほか二編。

アマゾンより引用

感想

この類の作品は「こっ恥ずかしくて、死にたくなる」か、あるいは「こっ恥ずかしいけれど、案外いいかも」のどちらかに感想が分かれてしまうことが多いのだけど、この作品作品集は「こっ恥ずかしいけれど、案外いいかも」だった。

表題作の『ふじこさん』は、両親が離婚調停中の小学生が、別居中の父親の恋人である「ふじこさん」と過ごした日々の物語。

ふじこさんは主人公にとって「母親よりも魅力的に見える若い女性」で、家庭を持つ主婦の立場である私からすると眉をしかめたくなるような設定だけど、不思議と反感を抱くことはなかった。

たぶん「ふじこさん」が魅力的だったからだと思う。

それは私自身、人間は年齢差があったとしても分かり合える事があるし、運命の出会いと言うのは年齢差に関係が無いと思っているからだと思う。

ラストに出てくる椅子のくだりは、グッっときてしまった。

多かれ少なかれ、誰にだって子供の頃に「自分にとって特別な大人」の存在があったかと思う。それを、ふと思いおこさせるような作品だった。

『夕暮れカメラ』は写真好きな女子高生がふとした事で知り合った老女から「写真(遺影)を撮って欲しい」と頼まれて、老女と向き合っていくという筋書き。

女子高生と老女のアンバランスな関係がとても良かった。そして何よりも良かったのは女子高生が、なんだかんだ言っても真面目で誠実な思考の持ち主だったということ。

以前読んだ『チョコリエッタ』は口当たりが良いだけで、納得のいかない設定と物語の運びに「イマイチだなぁ」と思ったものだけど、今回はどれも気持ちの良い作品に仕上がっていた。

路線は変わっていないのに匙加減ひとつで、こうも作品は変わってしまうのだなぁ。

また、機会があれば、大島真寿美他の作品にも手を出してみようと思わせてくれる1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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