最近夫は何かにつけて「あんじょう頼むわ」と言う言葉を連発する。
「あんじょう」とは大阪弁で「ちゃんと」とか「ていねいに」とか「良い感じで」と言う意味。
「味良く」が語源と言われていて「味良く→味良う→あんじょう」と変化したらしい。
「あんじょうやりや」というと「上手くやりな」って感じだし「あんじょう頼む」だと「良い感じでお願いします」が直訳になる。
あんじょう頼む
義母が和歌山出身と言うこともあって、夫はバリバリの大阪弁って感じの喋り方をする人ではない。和歌山と大阪が微妙に合わさっている感じ。
加えて社会人になってから共通語に寄せて喋るせいか、テレビに出てくるような「いかにも」な大阪弁は使わない。もちろん本気出せば使えるとは思うのだけど。
そんな夫が突然「あんじょう頼むわ」を多用するようなったのは会社の上司で何かとこの言葉を使う人がいるらしく、何故だか気に入ってしまったらしい。
例えば…知り合いに不幸があって葬儀に参列出来なかったとする。
弔電の手続きをして、現金書留でお香典を送る…となった場合、弔電の文章、お香典に添えるお悔やみの文面、お香典の金額等を夫に相談したら「あんじょう頼むわ」と言われる…と言う感じ。
ビジネスの場で「あんじょう頼む」と使う場合は「丁寧に頼みます」と言う意味合いが強いと思うのだけど、そうではない人間関係の中で「あんじょう頼む」が使われる場合は本来の意味よりもむしろ「良きにはからえ」がピッタリくるように思う。
「あんじょう頼む」と言う側は「信頼してるから好きにしていいよ。任せるわ」って意味で使っているのではなかろうか。他所では分からないけれど、少なくとも我が家ではそんな感じ。
専業主婦の仕事って家の中で起こる様々な雑事を「あんじょう頼まれる」事なのだと思う。
家事だけじゃなく、子どもに関すること、対外的なこと。家を出て勉強したり、働いたりする家族が外で支障なく活動するために必要な様々な雑事をあんじょうやっていかねばならない。
専業主婦は強いて言うならマネージャー業に近いと思うものの、金銭を稼ぐ訳ではないので「ニートに毛が生えたもの」と言われたら「それもそうだな」と思ったりする。
夫と娘が外で「あんじょうやれる」ように、私は家の中の事をあんじょう回していこうと思う。