娘はこの10月で8歳になった。
娘は母に似ず体育会系。そして「女子力」と言う言葉に敏感な小2女子だ。最近すっかりおマセになってファンタジー設定が崩れさりつつある。母としては少し寂しいが「そりゃ、そうだね」と納得せざるを得ない。
そんな娘がヨシタケシンスケの『ふまんがあります』を読んでいた時のことだ。
「大人から早く寝なさいと言われるのが不満だ」と言う子どもに父親が「サンタクロースが調査員を派遣していて、ちゃんと寝てるかどうか見に来るから」と説明する場面があるのだけど、娘は「そんなの嘘だよね。だって私、小2だからそれが嘘って事くらい分かるわ!」と言った。
まぁ…娘も8歳なのだから、サンタクロースを卒業したって不思議ではないと思っていたら娘はドヤ顔でさらに続けた。
「サンタさんはね。すごい高性能の望遠鏡で子どもがいい子かどうかチェックしてるんだよ。みんなの家に調査員が来たら子どもにバレるしね!」
……予想外の展開だった。娘はまだ本気でサンタクロースを信じているらしい。
嬉しいやら可笑しいやら。娘の同級生達の中にはそろそろサンタクロースを卒業する子が増えてきている。そもそも幼稚園くらいの子でもサンタクロースなんて信じていない子は多い。
なので「娘も実は薄々勘付いているんだろうけど、心のどこかで信じたがっているんだろうな……」くらいに思っていたので、娘が本気でサンタクロースを信じているとは思ってもみなかった。
私自身は父親がちょっとエキセントリックな人だったので、サンタクロースは比較的早い時期に卒業した。むしろ5歳年下の弟の夢を壊すまいとクリスマス時期は色々と気を使っていたくらいだ。
何歳のクリスマスだったかは忘れたけれど幼稚園児の弟に赤ちゃん玩具。小学生の私には幼児向けの玩具が枕元に置かれていたた事があった。
クリスマスプレゼントを買い忘れた父がスナックのホステスさんに頼んで適当な物を買ってこさせたとのこと。
今にして思えば「そんな夫だって分かっていたら母親が用意すればいいのに」って話だけど、その当時から母もいささか残念な人だったのだ。
その時はプレゼント見て号泣する弟に「サンタさんが間違えたんだよ。枕元に置いといたらきっと別の玩具を持ってきてくれるから」と弟を慰めて、その日弟が遊びに行っている隙に玩具を買いに行って、翌日枕元に玩具を置いた……と言うショッパイ思い出。
そりゃそうと。娘が本気でサンタクロースを信じているのなら、今年もサンタクロースをプロデュースする必要がある。
クリスマスプレゼントは是非とも早いうちに決めていただきたいところだ。娘がいつまでサンタクロースを信じ続けるのかは分からないけど、信じている間はトコトン付き合ってやりたいと思う。
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