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それでも会社は辞めません 和田裕美 双葉文庫

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和田裕美作品を読むのはこれで2冊目。『タカラモノ』が気に入ったので、続けて読んでみようかな…と。

作者の和田裕美は経営コンサルタントとのこと。『タカラモノ』の時は「なんか既存の小説とは違うタイプの方向性だなぁ」と思ったけれど、今回の『それでも会社は辞めません』は小説色が濃い作品だった。

だけど小説色を濃くしたがゆえの嘘臭さが色濃く出ちゃった作品でもある。

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それでも会社はや辞めません

ザックリとこんな内容
  • 人材派遣会社で働く初芽は、営業部での成績がふるわず会社中の使えない社員が集められたという噂のAI推進部へ異動になった。
  • AI推進部とは実質退職させたい人間を集めた肩叩き部屋だった。
  • 生産性の低い社員は無能なのか?
  • 会社にいる輝かない人々がヒーローになる物語

感想

正直な感想を言うと「好きじゃない」のひとことに尽きる。

主人公が派遣会社に勤務している…と言うリアルな設定で物語の舞台が会社という組織だからこそ、作り物過ぎるとゲンナリしてしまうのだ。会社系のお仕事小説はわんさかあるけれど、そこにはある程度のリアリティが必要だと思う。『それでも会社は辞めません』はあまりにも漫画ちっくで、まともに読んでいられなかった。

私。今でこそパート勤務だけど独身時代は長らく派遣社員として働いてきた。この作品で言うなら主人公の初芽がお世話する側の人間だった。だからこそ派遣会社のシステムは身を持って知っているし、派遣会社から派遣されていくる人達のこともある程度は知っている。

『それでも会社は辞めません』は「会社は生産性だけを追い求めてはいけない」とか「生産性の低い人間がヒーローになる」みたいなところが物語の肝になっているのだけれど「いやいや…それは生産性が低いとか言う話ではなくて社会人として、なかなかのクズでは?」みたいな人間が登場して、イラっとてしまった。

作者が言いたいことは分からくもないけど「いやいや。そんな事が通ったら会社潰れちゃいますって」って話だし社会はまわっていかないと思う。

……とは言うものの『それでも会社は辞めません』は巷での評価は高かったみたいなので「あくまでも作り話」と思って楽しめる層には刺さるのかも知れない。

会社を舞台にした小説でも『おいしいごはんが食べられますように』みたいな話なら好きなんだけどなぁ。人の好みはみんな違う。みんな違ってみんないい…ってことて今回はハズレだった。

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