先の日曜日。実家のエアコンが壊れたらしい。
日曜日は娘が水疱瘡のため、我が家は自宅で缶詰状態だった。弟は朝から外出していたらしい。用事があって実家に電話をかけたところ「エアコンが壊れたから、電気屋さんに修理に来てもらったら、修理出来ないらしから買うことにした」と母。新しいエアコンが来るまで暑いだろうからと、夫に我が家で使っている扇風機を届けてもらうことにした。
しばらくして実家に行ったはずの夫から電話があった。「おばあちゃん、22万円もするエアコン買おうとしてる。 俺が言っても聞かないから電話に出て」と夫。電話に出た母が言うには「近所の人(全員お年寄り)がみんな頼んでいる電気屋さんに頼んだ。付き合いもあるし、ここで買う」とのこと。
22万円のエアコンが悪いとは言わない。しかし実家はお金持ちではない。
夫の実家にも、私の実家にも月々僅かながら仕送りをしている状態。たぶん高価格帯のエアコンを買わされようとしているのだと思うけれど実家には必要ないと思う。部屋の広さからすると、壊れたエアコンの変わりは10万円前後で買えるはずだ。
出先の弟にも連絡を取り、母を説得して急遽、家電量販店へエアコンを買いに連れて行った。夫が全て取り仕切って購入したエアコンは工事費と5年保証、リサイクル料等全部込みで9万4000円。それでも壊れたエアコンよりも能力的には上のものだ。不貞腐れていた母も流石に値段を見て納得したらしい。
なんだか、もうガックリ疲れた。
そう言えば義母もコタツを買うときにまったく同じパターンで買おうとしているのを、私と夫が全力で阻止して家電量販店に連れて行き「まぁ。すごく安いのね!」と納得してもらった事がある。
実家の母にしても義母にしても、現役の主婦だった頃はもう少し、しっかりしていたと思う。身近で見ていて感じるのだけど、年を重ねるごとに「しっかりさ」が無くなってきている。コタツにしてもエアコンにしても、新聞に挟まっている家電量販店のチラシを見れば、どれだけ高いか一目瞭然のはずなのに、すすめてくる相手の「言うがまま」になってしまうのだ。
お年寄りが高価な布団だの健康食品だのを買わされる詐欺にあったと言うニュースを見て「馬鹿だなぁ。どうして買っちゃうんだろう?」と思っていたけれど、うちの母達も機会があれば買うだろうと確信した。
母達は揃いも揃って「大丈夫よ。私は絶対騙されないから」と言うけれど、現に高価なコタツやエアコンを買おうとしていた。もちろんこれは詐欺ではないし、個人商店と量販店とでは価格が違うのは理解しているけれど「とにうく1番高いのをすすめる」言うあたりは「すすめられるままに買う」と言う年配者の特質を利用していると言わざるを得ない。
今回は夫のおかげで事なきを得たけれど、実家の母にしても義母にしても、もっと気をつけなければならないと反省した。彼女達は「私達が子どもの頃に知っていた母親」ではない。何かと気遣ってやらねばならぬお年寄りなのだ。しっかり肝に銘じておこうと思う。