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私の息子はサルだった 佐野洋子 新潮社

『100万回生きたねこ』の作者、佐野洋子の子育てエッセイ集。

作家の子育てエッセイなのだから、さぞかし素っ頓狂で面白いのだろうと手に取ったのだけど、想像以上に普通の話ばかりで驚いた。

言うなれば「その辺で井戸端会議しているオカンの話」ってノリ。しかし上手い。「これが作家の視点なのだな」と関心させられた。

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私の息子はサルだった

サルのようにおたけびを上げている息子は、どんな大人になるのだろうか。私は疑いもなく子供を愛しているが、その愛が充分で、適切であるかどうか、うろたえる。

誰が見てもいい子ではない。学校で一日五回も立たされる。ただ、大人になった時、愛する者を見守り、心に寄りそってやって欲しいと思う――。

『100万回生きたねこ』『シズコさん』の著者が自らの子供を見つめて描く、心暖まる物語。

アマゾンより引用

感想

面白可笑しい子育てエッセイはそれこそ掃いて捨てるほどあると思う。

どちらかと言うと、そう言うのは文章よりも漫画が向いているのか、漫画やコミックエッセイに多い気がする。

この作品は「子育てあるある」を求めていたり、ゲラゲラ笑いたい人にこの作品は向かないと思う。私も読みはじめて直ぐは「なんか普通過ぎてツマラナイな」と思ってしまった。

しかし読み進めていくと「あれ? これは面白エッセイじゃないけど、ジンとくる」と思うようになった。

それこそ子育てをしていたら遭遇するだろう出来事を淡々と書いているだけだし『私の息子はサルだった』なんて刺激的な題名の割に佐野洋子の息子はサルでもなんでもなくて「どこにでもいそうな男子」でしかない。

しかし佐野洋子が息子の周囲で起こった出来事の中で「どれを題材に持ってくるか」と言う選び方が抜群に良いのだ。

例えは、保育園に通う息子の友達が自分の母親のお財布からお金を取って玩具を買って、家に持ち帰れないために作者の家に隠していた話。

佐野洋子は息子も息子の友達も怒らず、あくまでも「大人の対応」で対処している。

そして息子の友達がどうして、そんなことをしてしまったのかについて推測するのだけど、決してそれを責めないのだ。

ビックリするほど淡々と描いているのだ。普通の子育てエッセイなら「そんなことをしてしまう子どもの気持ちを考えると…」なんて話になりそうなところを、あえて何も書いていない。

息子が好きになった女の子の話にしても、息子の友達のお父さんのお葬式の話にしても、余計な感想を交えずに淡々と描いている。

しかしクローズアップする場面が秀逸で、佐野洋子の感想や意見なんて書かなくてもちゃんと読者に伝わってくるものがあるのだ。

これは普通の人には出来ない事だ。プロの作家の仕事だと思う。

この作品は子育てエッセイとは言えないと思う。

自分の息子を1人の人間として捉えた人間観察エッセイだ。好き嫌いはあると思うし地味なので物足りないと感じる人もいるだろうけれど、これはなかなかの名作だと思った。

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白い木蓮の花の下で
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