大阪中之島美術館『モネ 連作の情景』に行ってきた。
日本人ってなんだかんだ言って印象派の画家が好きなんじゃないかと思う。私もその中の1人だ。近年はとんと見掛けなくなったけれども、昭和の頃は銀行のロビーなんかにモネやルノアールの複製画がかかっていたりしたし、どこかの企業の名前がついたカレンダーにも採用されがちだった気がする。
印象派の画家は美術の教科書の定番メンバーってことも、もしかすると人気の下支えになっているのかも知れない。
『モネ 連作の情景』は大人気の展示で会期すぐの頃は超満員と聞いていたので会期の終わり頃を狙った。「そろそろ空いているかなぁ~と思い、黄金週間の連休前半初日4月27日の土曜日に突撃したものの会場はそれなりの人出に驚いたけれど「行かない」って選択肢はなかったので諦めてチケット購入列に並んだ。
「会場は芋洗い状態なのかな~」と覚悟したものの、実際に中に入ってみると案外そうでもなくてホッとした。展示によっては混み合っていたところもあったけれど、ゆったりとスペースを取ってくれていたので落ち着いて鑑賞することが出来た。
今回のモネ展は「連作の情景」という副題の通り「連作」がテーマになっていた。モネに限らず多くの画家は同じテーマを「これでもか!」描きまくる人が多い訳だけど、連作するに至った背景やその時のモネの状況なども解説されていて単純に「絵を観る」ってだけじゃない面白さのある展示だった。
モネの連作の中でも「積みわら」と「睡蓮」のシリーズが多く展示されていた。「積みわら」は日本だと大原美術館やポーラ美術館にあるものの「まとめて観る」って経験は貴重だと思った。
そしてみんなが大好きな『睡蓮』のシリーズ。ご多分に漏れず、私も『睡蓮』が大好きなのだけど『睡蓮』の展示コーナーはなかなかイカした構成になっていて『睡蓮』を堪能することが出来た。
今回、モネの絵をたくさん鑑賞して「モネの描く風景って、どこか懐かしい感じがする」って事に気がついた。どこかの山間から見た景色だったり、旅先で見た港の風景だったり。モネの描いた風景は日本の風景ではないけれど、独特の画風で精密に細部が描かれていない分自分の脳内で補填する部分が多いため「なんかコレ見たことある景色だな」と感じてしまうのかも知れない。
また、モネは日本の浮世絵に影響を受けていて「コレそのまま浮世絵にある構図だね」みたいな作品もあるので「懐かしい」とか既視感を感じてしまう……って部分もあるのかも。
何にせよ『モネ 連作の情景』は見応えのある良い展示だった。
今年はあと1回、どうしても行っておきたい展覧会がある。「またしても印象派かい?」と突っ込まれそうだけどハルカス美術館で秋に開催される『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』を観に行くつもり。
こちらは大変ミーハーな理由で恐縮だけど、音声ガイドが好きな声優さん(速水奨)との事なので、こちらは夫と行くのではなくて私1人でゆっくり楽しんでこようと計画している。
生きていくためには仕事をしなければならないし、正直なところ今は毎日「仕事辞めたい」と思いつつ働いているけれど、ちょっと先にあるお楽しみを励みに頑張っていきたいと思う。
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