読んだ本の『50音別作家一覧』はこちらから>>

俺ではない炎上 浅倉秋成 双葉社

記事内に広告が含まれています。

浅倉秋成は初めて読んだ『六人の嘘つきな大学生』が面白かったので、これからも追いかけたい…って事で手に取った。

題名に「炎上」とあるようにwebでの炎上がテーマのミステリ小説だった。

前回読んだ作品が就活。そして今回が炎上。作者は時代の先端を行くようなテーマが好きなのだなぁ~と感心した。若い作家さんにはどんどん新しい風を吹き込んで欲しい。

スポンサーリンク

俺ではない炎上

ザックリとこんな内容
  • ハウスメーカーで働く50代の男…山縣泰介は、ある日突然、「女子大生殺害犯」に仕立て上げられてしまう。事実無根だったが家族も友人も会社も信じてくれない。
  • 無実の罪で数時間にして日本中の人間が敵になってしまった山縣は必死の逃亡を続けながら事件の真相を探る。

感想

期待値が高かった…ってところもあるだろうけど、それを抜きにしても全く楽しむことが出来なかった。

何が駄目って話だけど、序盤の時点である程度話の仕掛けが予想出来てしまう…ってところ。真犯人については途中まで分からなかったけれど、事件に関わっている人については序盤で分かってしまった。

そして炎上云々…についてだけど「50代のハウスメーカー勤務のエリートサラリーマンがwebに弱い」って」って時点で無理がある。

申し訳ない話だけど2チャンネル(5ちゃんねる)全盛期を支えたのは50代以上の人間なんだよなぁ。パソコンを使わない仕事をしている人ならいざ知らず、大卒のエリート営業マンがTwitterやったことないとか無理があり過ぎるって。ハウスメーカーの営業マンがTwitterやインスタを気にしないなんてあり得ない。

また、時系列を使った仕掛けについては強引過ぎるところがあって、読んでいて「なんか変…だよね?」って違和感がつきまとう。時系列云々でどうにかしたいなら、もう少し丁寧に描いて欲しかった。

私が今回『俺ではない炎上』を好きになれなかった大きな理由の1つに登場人物達を誰1人して好きになれなかった…ってところもある。それぞれの主張も言い分も理解出来るのだけど「無いわぁ~」としか思えなくてイライラしてしまった。人間は誰しも多かれ少なかれ自分勝手な生き物だけど、それにしても揃いも揃って自分勝手が過ぎる。

「インターネットの炎上は怖いですよ」みたいなところをテーマにしたのは評価するけれど、それ以外には特に感心出来るところがなくて残念だった。次の作品に期待したい。

作家名・作品名等で検索出来ます
50音別作家一覧はこちら
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました