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方舟 夕木春央 講談社

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私。ミステリ小説は苦手なタイプの本好きなのだけど、ここ最近は「食わず嫌いをせず色々読んでみよう」みたいなところを読書のテーマにしているので、ちょっと話題のミステリ小説を読んでみた。

あれこれミステリを読んでみて思うのは「やっぱり私はミステリ合わないかもな?」ってこと。『方舟』はミステリ界隈でそこそこ話題になっていたようだけど、私にはその良さが1ミリも分からなかった。

なので猛烈に残念な感想しか書けないので夕木春央ファンとか『方舟』を読んで感激した人はこの先を読むのはご遠慮戴きたい…まである。

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方舟

ザックリとこんな内容
  • 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は山道で迷ってしまったと言う3人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
  • 地下建築で夜を過ごして朝には脱出する予定だったが翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。脱出方法は見つかったものの、その方法だと誰か1人が犠牲になる必要がある。
  • そん緊迫した状況で殺人が起こる…

感想

最後まで読んでみたけど1ミリも良さが分からなかった。そしてミステリ小説なのに5分の1くらい読んだところで犯人が分かってしまった。

なお、私はミステリ音痴でトリックとか全く分からない。だけど人物設定とか雰囲気とか、小説の構成から「コイツが犯人だろうな…だけど、いくらなんでもこれじゃあ簡単過ぎるから無いか…」と予想した人物が犯人だった。これはかなり残念過ぎる。

そもそも論として。ミステリとして設定に無理があり過ぎる。設定を読んだ時点で私としては突っ込みポイントの嵐だった。

大学のサークル、地下建築、突然湧いて出た部外者3人……

とりあえずサークルメンバーの人物&性格設定を読んだ時点で犯人ではない人が推察出来た。そして、そうなってくると犯人も自然と浮かび上がってくる。「いやいや。それでは、いくらなんでも安直過ぎるでしょ?」と思った人が犯人だった。これはた単純に消去法であって、推理力とは関係ない。

ミステリ小説の魅力って「犯人が誰か?」ってところもあるけれど「どうして犯人は犯罪に至ったのか?」とか、犯人の人物背景なども含まれるので犯人がアッサリ分かったとしても、それはそれとして理だと思うのだけど『方舟』の場合はそうではなかった。

『方舟』は犯人探しとトリック開示がメイン。

私の場合、トリックには興味がないので推察しようともしなかったけど、犯人がアッサリ分かってしまったのは幻滅過ぎた。せめて犯人や周囲の人間を深掘りして欲しかったなぁ…。最後のオチ(意外な人物が犯人だった?)を書きたかっただけの作品だなぁ…と言う印象。

どの人物どの場面にも心を寄せることがで出来なかった。久しぶりの壁本(読後、本を壁に投げつけたくなるような本)だったし、夕木春央の作品はこれきりにしようと思うくらいには残念な1冊だった。

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