私が医療型児童発達支援センターに転職して1年が過ぎた。
なんだか職場では大きな顔をしているけれど本当は新人の部類。経験値的にもスキル的にも全くなってない。
放課後等デイサービスで働いていた頃は福祉事業色が強かったのだけど、現在働いている医療型児童発達支援センターは保育園色が強くて「保育士業界の常識」の中で生きていく必要がある。
私は1年経った今でも保育士業界の常識には馴染めていないし、一生好きになれないと思う。
特に好きになれない保育士業界の常識の中に「休みをとった後にお菓子を配る」とか「クリスマスやバレンタインなどのイベントにメッセージ付きのちょっとしたプレゼントを配る」と言うものがある。
昨今はコロナ禍と言うこともあって、本人が元気でも家族がコロナに罹ったり、コロナじゃなくても発熱しただけで出勤することが出来なかったため、休まざるを得ない保育士が多い。
そして誰が休むと出勤する時には「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」と言う詫びの言葉と共に必ず菓子折りがまわってくるのだ。それも結構お高めのヤツが。
この仕事はチームで動くので誰かが抜けると他のメンバーは正直キツイ。
だけど自分だって迷惑を掛けることがあるか知れないのだし、そもそもとして仕事はお金をもらっている限り「やって当たり前」のことなのだから、菓子折りとか別にいらない。
クリスマスのやバレンタインデーの「ちょっとしたプレゼント」も本当にいらない。
小さなお菓子とか靴下とか文房具なんて欲しい物は自分で買う。そして誰もが仕事もプライベートも忙しいことが分かっているので、手書きメッセージを書いてラッピングする…なんて余計な時間を使わせたくない。
そんなの本当にいらないし貰っても貰わなくても私の仕事は変わらない。
先日、仲良くなって信頼出来る先輩に「お菓子とかいらないですよね」って話をしてみた。先輩は「配らない人」なので、もしかしたら分かってくれるかな…と。すると先輩からは「ホンマにいらんよなぁ。私、そもそも渡したことないし」と心強い回答が。
なので調子に乗って「所長にお願いして休んだからってお菓子配るの無し…って通達出してもらえないんでしょうか?」と聞いてみたところ、予想外の答えが帰ってきた。
「気持ちは分かるけど無理だと思うよ。あのね…私はそんなタイプじゃないけど、お菓子を配る先生達はお菓子を配ることで心の平安を保ってる…ってところがあるのよ。○○先生とか○○先生なんかは完全にそのタイプよね。だから完全に駄目とは言い難いんじゃないかな?」
……その発想は無かったわ!
お菓子を配る人達がその行為で心の平安を得ているのであれば、私はそれを止めることが出来ない。言われてみれば確かに先輩が名前を挙げた先生達にはそんな雰囲気がある。
お菓子配りを止めることは出来ないのなら私は気にせず貰うしかない。
誰がはじめたのか分からない謎の風習。私にとっては不必要なものだけど、そこに平安を感じる人がいるのだなぁ。保育士業界…謎過ぎる。そして私は一生かかっても馴染めそうにない。
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