『バッテリー』のシリーズもやっと4冊目。
ちっとも面白いと思っていないのだけど、手を付けた限り、最後まで見届けてやらねば……と半ば義務感を持って購入してみた。
「もしかしたら話の展開が変わって面白くなるかも知れない」と一抹の期待もあったのだが、予想通り、大して面白くもなかった。いい加減、見切りをつけた方が良いのかも。
バッテリーⅣ
「戸村の声がかすれて、低くなる。『永倉、おまえ、やめるか?』身体が震えた。ずっと考えていたことだった……」強豪校・横手との練習試合で敗れた巧。キャッチャーとして球を捕り切れなかった豪は、部活でも巧を避け続ける。
同じ頃、中途半端に終わった試合の再開申し入れのため、横手の門脇と瑞垣が新田に現れるが!?
3歳の巧を描いた短編「空を仰いで」収録。
アマゾンより引用
感想
主人公万歳なのは前作と同様。まったく成長が感じられない。
登場人物の会話が「いかにも漫画の主人公」って感じで嘘臭さ全開なのも気に喰わない。児童小説だから、目をつむりたいところだけれど、漫画やアニメと小説は違うよ……と呟くこと数回。
あえて良かった探しをするなら、豪の母親の作ったサンドイッチがおいしそうだった……ってことくらいだろうか。母親の心遣いは流石だと思った。こういうところは大人目線で、なかなか良い。
本編は全く駄目だったけど、書き下ろしの短編は良かった。
3歳の主人公と、その祖父の物語……かと思えば、そうではなくて死にゆく妻と夫の物語だった。美しきかな夫婦愛。
日本には、彼らのような地味だけど穏かで、しかし確かな関係を築き上げてきた夫婦がたくさんいるんだろうなぁ。こういう話は、なんだかホッっと心がなごむ。
本編は全く駄目だったけど書き下ろし短編が良かったので、それだけでも良しとするか……というような1冊だった。
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