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バッテリーⅢ あさのあつこ 角川文庫

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俗に言うベストセラーの感想に「面白くない」なと書くのは平気なのだが、読書好きの人々から愛される作品に対して、そういう感想を書くのには、けっこう勇気がいるものだ。

細々運営のサイトと言えど……むしろ細々運営だからこそ、あまり嫌われるようなことは書きたくないのだ。

だが、あえて書かせてもらいたい。「大人が読んでも面白いって評判だけど、みんな本当に面白いって思って読んだんですか?」と。

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バッテリーⅢ

「おれが、おまえにとってたったひとりの最高のキャッチャーだって心底わからせてやる」3年部員が引き起こした事件によって活動停止になっていた野球部。

その処分明け、紅白戦が行われるが、未だ残る校長の部に対する不信感を拭うため、監督の戸村は強豪校、横手との試合を組もうとする。

一方、巧と豪の堅かった絆に亀裂が入って!? 青波の視点から描かれた短編「樹下の少年」収録。

アマゾンより引用

感想

確かに最初の作品は面白かったし、『バッテリーⅡ』までは「そこそこ良いかな」とも思ったのだが、今回のは少し破綻してきたような気がしてならないのだ。

子供向けの児童文学として読むのなら、充分なレベルだと思うのだけど、大人が読むものではないような…と言うか、大人が読んで「感動した」なんて言うのは、騙されているんじゃないかと。

何故にそこまで辛口なことを書くのかと言うと、どうしても気になった部分があるのだ。

それも物語の中で、かなり重要な事柄に対して。私が気になったのは主人公の巧と、ピッチャーで女房役の豪の関係について……である。

友情にしては行き過ぎていないか? と思うのは私の心が歪んでいるからだろうか。

豪が抱く巧みへの気持ち……あれは友情と言うよりも、むしろ恋の領域だと思う。

そりゃあ「友情と恋の線引きはどこ?」と言われると答えに詰まってしまうのだけど、ちょっとやり過ぎではないかと思わずにはいられない。

熱い友情は好きだ。だが、どんなことでも「やり過ぎ」てはイケナイ。ヲタクと呼ばれる人々の間で「巧と豪が恋愛関係にある」という設定で、二次創作が書かれているらしいが、正直「そりゃぁ、そう思われてもしょうがないよね」と思ってしまった。

もっとも、これは作品の面白さゆえに大人達からもクローズアップされてしまっただけで、もともとは児童書なのだから、ちょっぴり行き過ぎた演出や派手な感情表現はアリだと思う。

だが、私自身が子供でないだけに、どうしても違和感を感じずにはいられないのだ。

ここまで読みすすめてきたので最後まで付き合うつもりだが、これ以上にハマることは無いだろうな……と思った。

バッテリーⅣの感想はこらち

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