先日、娘から「もし私の成績が悪かったら、お母さんは私に勉強しなさいって言ってた?」と聞かれた。
娘はほっておいても勉強するタイプなので私は娘にそ「勉強しなさい」と言ったことがない。
娘に言う小言の定番はこんな感じ。
- 早く寝なさい
- 部屋片付けなさい
- 必要なものがある時は早く言いなさい
- やるべきことを片付けてからゴロゴロしなさい
「勉強しなさい」とは言ったことないけど、年がら年中小言を言っていて、それについては他のご家庭と変わらない。
だけど娘の年代の場合、親から言われる小言のナンバーワンは「勉強しなさい」なので、私の反応を聞いてみたくなったらしい。
私は娘に即答した。「お母さんの性格だったら、勉強しなさいとは言わないと思う。自分の人生なんだから自分で責任を持って欲しい。だけど、子どもが勉強できなくても生きていける能力を身につけられるように、色んな可能性を提案し続ける」と。
「そんなの綺麗ごとでしょ?もし成績悪かったら絶対に勉強しなさい…って言うよ」って言われるかも知れないけれど、我が家の方針はずっと「子どものやりたい事を全力でサポートする」ってところに尽きる。
娘がワンワン(いないいないばあ)にハマればワンワンショーへ行き、プリキュアにハマればプリキュアショーの列に並ぶ。体力を持て余せばアスレチックや公園めぐりに全力を注ぎ、実験が好きだと言えば、大学等で開催されている子ども実験教室に通いまくった。
娘が体操にのめり込んだ時は猛烈に悩んだけれど、最終的には「勉強はともかく体操部のある私立中学に入れても良い」と思っていた。ちなみに、その方面の私立中学は勉強は2の次、3の次って感じの学校ばかりだ。
人間ってやりたくない事はやれないと思う。勉強が大嫌いな子に「勉強しなさい」って言ってもやる訳がない。
……とは言っても今の日本で暮らすなら何かの資格を取るにしても高校卒業資格が必要になることが多いので高校だけは行って欲しい。高校に進学するのが難しいレベルで勉強しないなら自分が家庭教師になって小学校の教材から戻って1から教え直す…くらいのことはすると思う。
そして「勉強は嫌いだけど底辺でも高校には行ける」くらいの子どもの場合、子どもが興味を持てそうな職業を色々提案して将来の絵を描けるようにふんわり誘導する。大学に進学しなくても出来る職業は沢山あるし、それでもしっかり稼いでいる人も多い。
同級生でも高卒で美容師になった人とか、商業高校でガッツリ簿記を身に着けて卒業で地元の中堅企業に就職して働き続けている人なんかを見ていると、その辺の大卒女性よりもしっかり稼いでいたりする。
あれが駄目なら、これ。これかが駄目ならこっち…と、延々と子どもに対して可能性の持てそうなボールを投げ続けていくと思う。
そうすると娘は「そうか。お母さんが図書館で借りてきてくれる本と同じことか!」と納得してくれた。
娘は小さい頃から理系のことにしか興味がなく、文字に対する感心も文章に対する感心もなかった。ファンタジーを読ませた日には「お母さん、これって嘘の話だよね?」と真顔で聞いてくるような幼児だった。
「こりゃ私の好きな本を借りてきても、この子の心には刺さらないわ」と気付いてからは色々なジャンルの本を借りてきては娘の目の届くところに置いて、娘が興味を持ちそうなジャンルを観察。駄目なタイプのものはリストラして、また別の方向の本を借りる…と言う生活を繰り返していた。
その甲斐あって娘は本好きな子に成長したけれど今だに娘の本を選ぶスタンスは変わっていない。色々な本を次々と試し続けているけれども滑ること多くて親の思うようにはいかない。
今は娘の興味が勉強に向いているので、それを応援しているけれど、娘の興味が変われば違う応援の仕方をすると思う。
まぁ…本音を言うと「私、漫才師になるわ」とか「女優になる」みたいな方向性は勘弁して欲しいけれど、それはそれで応援するしかないだろうな…とも思っている。