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映画『コーチ・カーター』感想。

『コーチ・カーター』は高校のバスケ部のコーチを描いたアメリカのスポ根映画。

バスケットボールと言うと日本では『スラムダンク』を思い浮かべる人が多いと思うのだけど、実のところ私はバスケットボールってあまり好きじゃない。

私の中でバスケットボールはヤンキー(不良)がするスポーツと言うイメージがある。私はヤンキーなんて滅亡すれば良いと思っている人間なので、バスケットボールに興味はなかった。

実際『コーチ・カーター』で描かれているアメリカのリッチモンド高校も超底辺校。昔懐かしい昭和ドラマ『スクール・ウォーズ』に似た設定。

私の大嫌いなものが詰め込まれた作品なのに『コーチ・カーター』は面白かったし、実に素晴らしい作品だった。

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コーチ・カーター

コーチ・カーター
Coach Carter
監督トーマス・カーター(英語版)
脚本マーク・シュワーン(英語版)
ジョン・ゲイティンズ
製作総指揮トーマス・カーター
ケイトリン・スキャンロン
シャーラ・サンプター
ヴァン・トフラー
出演者サミュエル・L・ジャクソン
ロブ・ブラウン
ダミアン・カーター
ロバート・リチャード
音楽トレヴァー・ラビン
公開アメリカ合衆国の旗 2005年1月14日
日本の旗 2005年8月6日

あらすじ

物語の舞台はアメリカのッチモンド。

この街にあるリッチモンド高校は、無事に卒業する生徒は50%。大学進学率は6%と言う底辺校。ちなみにリッチモンド高校があるが所在するコントラコスタ郡では黒人男性の3割が刑務所で服役している。

大学へ行く者はごくわずかで卒業した生徒の半分が逮捕される現状だった。

リッチモンド高校のバスケットボールチーム「オイラーズ」は、ほとんど試合に勝ったことがない弱小クラブだったが、高校のOBであるケン・カーターが新しいコーチとして赴任してくる。

カーターはバスケの技術を教えるよりも先に、選手たちとある契約を交わす。それは「学業で決められた成績以上を残すこと」「授業には必ず出席すること」「試合の日には正装すること」といったものだった。

契約を守らない者は試合に出さないというカーターに選手達は猛反発。チームを去る者もいた。

しかしカーターは「規律を守ることが勝利のカギである」と、意見を変えることはなかった。そして、カーターは残った選手に激しいスパルタ練習を行っていく。

実話ベースのスポーツドラマ

とりあえずビックリしたのが『コーチ・カーター』は実話ベースの物語だってこと。

主人公のカーターは元バスケットボール選手で奨学金を得て大学に進学し、スポーツ店を営んでいた。

カーターは自分と同じような環境にある若者達が犯罪に手を染めることを憂い「この状況を変えていきたい」という志をもって、母校のバスケットボール部のコーチを引き受ける。

しかし当然ながら生徒達は全員不良。麻薬に手を出す者もいれば、ガールフレンドが妊娠して大変…みたいな者もいた。なかなか一筋縄ではいかないのだけど、バスケットボールと言う共通の目標を通じて、カーターと生徒達は絆を深めていく。

生徒達も本気でバスケットボールに取り組むことで、少しずつ意識が変化していく。

教育の重要性

『コーチ・カーター』は単純なスポ根作品とは一線を画した作品だった。

主人公のカーターが望んでいたのは「強いバスケットボールチームを作ること」ではなく、教え子達の未来を作ることだった。

バスケットボールに強いだけでなく、学業も疎かにしないことを要求したカーターは生徒達の大学進学を考えていたのだ。

奨学金をもらって大学に進学することが出来れば、生徒達の未来が大きく変わる。

公立高校の選択肢が少ない地域の状況はよく分からないけれど、高校進学を考える時にある程度の選択肢がある地域の場合「底辺校」と呼ばれる学校が存在する。

「名前が書けたら誰でも合格する」とか「高校で九九の授業がある」とか、嘘だか本当だか分からない伝説があったりして「底辺校なんて必要ない。潰してしまえばいい」と言う意見さえある。

私はヤンキー大嫌い人間だけど、学力の低い高校も必要だと思っている。確かに勉強が嫌いな子に勉強をさせる必要はない…って意見も一理ある。だけど、教育を受けていない人が犯罪を犯す確率や、高校卒業していないと取得できない資格もあることを考えると、日本の場合だと「せめて高校卒業資格」は必要だと考えている。

リッチモンド高校の教師達は「この子達は今しかない。だからこそ高校のバスケットボールでヒーローになれたら、それだけで充分。この子達に大学進学に必要な学力は必要ない」と考えていたけれど、カーターの考えは違っていた。

生徒達だけでなく、保護者や教員達からの理解を得られない中、それでも自分の考えを貫き通したカーターの姿に胸が熱くなってしまった。

ちなみに……バスケットボール部のメンバーは全員とは言わないまでも、奨学金をゲットして大学に進学している。

そしてもっと驚かされるのは、映画のモデルになったケン・カーターが率いたバスケットボールチームの生徒達の多くも大学進学を果たしているし、後にケン・カーターは自分で学校を設立している。

ケン・カーター…なんて立派な人なんだ。猛烈に尊敬する。

『コーチ・カーター』は単純なスポ根映画ではなく、熱い大人の熱い教育映画だった。出会えて良かったと思える名作である。

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白い木蓮の花の下で
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