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みんなの世界 マンロー・リーフ 岩波書店

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『みんなの世界』は「世界はみんなのものなので、こんなことをしちゃいけません」ってことをメインにした極めて道徳的な絵本だ。

こういう道徳絵本は面白くないものと相場が決まっているのだが、子供の頃のお気に入り絵本だった。

今では流行らないタイプの絵本なのか、一時は絶版状態だったけれど、また最近復刊しているらしい。私にとって大切な1冊。

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みんなの世界

ザックリとこんな内容
  • 幼児にも分かるような言葉で、法律のことや税金のことを解説。
  • どうして規則や法律を守らなければならないか?
  • 世の中は自分だけで生きているのではないので好き勝手できない。
  • みんながいるおかげで便利で愉快に暮らせている
  • ……等、人々が豊かな生きるために「こまった人」にならないようにしよう……と、シュールなイラストを交えて描かれている。

感想

大人の言葉でサラッと書いてしまうと、なにやら説教臭い感じがするのに、丁寧で優しい言葉で書かれてあるので、読み返してみても、さほど説教臭さは感じなかった。

言葉のマジックって偉大である。

この絵本を読んだのは幼稚園の頃だったと思う。

「そうか。いい人間になろうろ」とは思わなかったけれども、この絵本のおかげで「伝染病になったら外に出てはいけない」ってことを、納得した覚えがある。

内容的な部分で役に立ったのは、その事くらいで、あとは単純に文章と絵に惹かれて読んでいたようだ。

実際、読み返してみるだに、文章の質の高さに驚かされる。

『みんなの世界』は初版が昭和28年。かなり古い作品なので言葉遣いがやや古臭い感がするもものの、名調子といっても過言ではないと思う。

私は、こんな道徳的な絵本を読んで大人になった訳である。おかげさまで犯罪は犯していない。

しかし作品の中で推奨するような素敵な大人にもなっていない。たくさん本を読んだからって、それが全て身につくとは限らないという典型かも知れない。

作者のマンロー・リーフはアメリカ人の作家で『はなのすきなうし』も描いている。『はなのすきなうし』は『みんなの世界』とは全く違う雰囲気なので、絵本の好きな人は読み較べてみると面白いかも知れない。

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