私。このたび48歳で保育士試験に一発合格しました。
今回は通常の日記ではなくて、保育士試験の受験を考えている方に向けて書かせて戴くので、興味のない方はスルーでお願いします。
保育士になるには養成学校や短期大学等で2年間学んで資格を取得する方法と、年に2回実施される保育士試験を受験して取得する方法があります。
保育士試験は誰でも受けられる…と言う訳はなく受験資格が必要ですが、資格を満たしているのであれば2年間の養成機関をショートカットして保育士の資格をゲットすることが出来ます。
保育士試験に一発合格するための勉強法
保育士試験の筆記試験は9科目。
受験する人によっては免除される科目があるかと思いますが、それでもかなりの科目数を勉強しなければなりません。私の場合は2科目免除で7科目受験しました。
保育士試験で苦労するのは「膨大な量の知識を暗記しなければならない」って事に尽きます。
それぞれの問題自体はさほど難しくはないのですが範囲が広過ぎるため、効率良く勉強しないと厳しい戦いになってしまいます。
「出来るだけ効率よく勉強したい」ってのは誰もが考えることだと思います。
そこで思いつくのがユーキャン等の通信教育。そして昨今は保育士試験の対策をしている専門学校(塾)も沢山あります。ですが、そういった課金って、けっこうお高いんですよね。
例えば。ユーキャンの場合だと保育士試験対策講座にかかる費用は一括払いで5万9000円です。(令和2年秋現在)
私の場合、購入したのは市販本だけですから、トータル1万円以下の出費で収まっています。
プロの指導は素晴らしいと思いますし、高得点で保育士試験を合格している方は何某かの指導を受けている人が多い印象です。
ですが私の場合、パート主婦なので「出来るだけ費用をかけずに保育士資格を取りたい」と思っていました。
保育士試験を経て保育士資格を取ろうと考えている方の中には私のように「出来るだけ費用をかけたくない」って方もおられるかと思います。
私は通信教育等の課金を否定しませんが、ここでは最小限の費用で保育士試験を突破する勉強方法についてお届けします。
保育士試験を一発合格する確率
保育士試験の合格率は年度によっても変動しますが、19%から20%前後です。
ただし保育士試験は1回の試験で全ての科目に合格しなくても、合格科目は3年間引き継がれるため、何回かの試験を経て合格する方多いようで、一発合格する人の割合は全体の3%から5%だとされています。
一発合格出来るの人は全体のは3%から5%と言うと、なんだか絶望的な気持ちになってしまいますが、保育士試験に難問は出ません。
しかも保育士試験は100点が求められる試験ではなく、合格ラインは60点です。
保育士試験は要するに暗記大会のようなものなので、しっかり勉強すれば誰でも合格することが出来ます。
過去問には全てがある
結論から先に書くと保育士試験を一発合格するためには、保育士試験公式サイトで公開されている過去問を解くだけでOKです。
保育士試験の公式サイトで公開されている過去5年分の過去問を解いて9割以上確実に解けるようになったら間違いなく合格出来ます。
もちろん「過去問を解く」と言ってもコツと言うかポイントがあるので、それについてご説明しますね。
保育士試験の筆記試験はマークシート方式です。「5つのうちから答えを選びなさい」ってタイプ。
当たり前ですが「この問題の答えは2番だよね」なんて覚え方で9割取れても駄目です。
例として2019年後期の保育原理の問1でご説明します。
問1 次の文は、「保育所保育指針」に通底する保育の考え方に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳児期から、月齢・年齢の標準的な子どもの姿をもとに集団的な一斉保育を大切にする。
B 保育の環境として、保育士や子どもなどの人的環境よりも、施設や遊具などの物的環境がより重要であると考える。
C 保育の方法として、子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成して、子どもの主体的な活動を大切にする。
D 子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 × ○ ○ ×
4 × × ○ ○
5 × × × ○正解は4
選択肢のうち保育所保育指針をキッチリ押さえていれば、CとDが正解だってことは導き出すことが出来ます。だけど、これで満足していてはいけないんです。
「AとBはどうして○ではないのか?」ってところまで学習してください。
ちなみにAの場合。保育所保育の基本的な考え方として、全ての年齢において集団的な一斉保育を行うのではなく、月齢や年齢に応じて、出来る限り個別に対応を行うことが望ましいとされるので一斉保育を大切にする…と言う考え方は間違っています。
Bの場合。保育の環境は、物理的環境だけではなく、人的環境も重要なので間違いです。
とりあえず「過去問として登場する文章の全てを理解出来るようになる」ってところを目指してください。
この要領で5年間分の過去問を9割解けるように学習していけば、それだけで合格ラインに届きます。
昔の過去問は役に立たないって聞いたんだけど?
保育士試験サイトや教材を販売している人達の中には「昔の過去問は役に立ちません」と主張する人がいますが、そんなの無視してOKです。
「昔の過去問は役に立たない」と主張する人達の意見はこんな感じ。
- 保育士保育指針の改定前の問題はやっても意味がない。
- 法律や集計データが変わる前の過去問は無意味。
……確かに言ってることは間違っていません。
ただ、指摘されている事って過去問をやり込んでいるうちに「あ。これは保育指針改定前の問題だな」とか「このデータは変わってるんだよねぇ」と普通に気が付くようになるんです。
過去問を腕試し的に1周、2周程度行うのであれば「昔の過去問」はやらない方が良いのですが、過去問9割理解を目指してやり込むのであれば全くもって無問題。
ハッキリ言って過去問を1周、2周する程度では全科目9割解くことは出来ません。
9割解けるようになるには過去問を何周もする必要があるのですが、何周もやってるいうちにデータ等の間違いなんて自然と覚えてしまいます。
過去問を効率良く解いていく方法
過去問中心で勉強する場合……
- 過去問を解く
- 答え合わせをする
- 間違ったところや分からない箇所を調べる
……の工程を繰り返すことになります。けっこう壁になるのが「答え合わせ」です。ここは無料で利用出来る解説サイトを活用してください。
私が実際に使っていた解説サイトは2つあります。
- 三幸保育カレッジ
- キャリア・ステーション保育士総合講座
解説が詳しいのは三幸保育カレッジですが、公式に公開されている3年分しか対応していません。
一方、キャリア・ステーション保育士総合講座の解説はアッサリ感があるものの公式に公開されている5年分の解説が公開されています。
キャリア・ステーション保育士総合講座は解説を見るためにメールマガジンに登録する必要がありますが、ここのメールマガジンは保育士試験が迫ってくると、保育士試験形式の予想問題的なものを送信してくれるので登録しておいて損はありません。
どちらを使うかは好みですが、お好きな方をご活用ください。
ご紹介したサイト以外にも分からない言葉が出てきた場合はその場で検索してくきださい。
インターネットには全てがあります。
保育所保育指針も新しい法令も厚生労働省からの通達もすべてインターネットで閲覧出来ます。
例えば…ですが「乳児院の職員配置って、どんな感じなんだっけ?」と言う疑問が出来たら、その場で「乳児院 職員配置」で検索すれば答えは必ず出てきます。
パソコンでもスマホでもかまいません、
「分からない事はその場で調べる」と言う作業を反復しているだけで知識は蓄積されていきます。
私は答え合わせをした時に間違ったところをパソコンでまとめて、暇な時に読み返していました。手書きだと時間が掛かるので全てパソコン作業で問題文からのコピペも多用しています。
自分用のメモなので他の人が読んだとしても「は?」って感じの内容ですが、参考までにPDFをアップしておきます。
綺麗なまとめノートを作って満足しない
私の場合、手書きよりもタイピングしていく方が圧倒的に早かったのでパソコンで間違いメモを作成しましたが、パソコン作業が苦手な方は手書きでOKです。
ただ、ここで気をつけて戴きたいのは「綺麗なまとめノートを作って満足しない」ってことです。
間違えた箇所を調べて書き出していく作業は重要ですが、それは脳に知識を叩き込むための作業であって、綺麗なまとめノートを作る作業ではありません。
手書きの場合、自分が読めるのなら汚くてもOK。よく登場する言葉は記号化して書いても良いレベルです。(例 保育所保育指針 → 保指)
「手を動かす → 視覚で覚える」と誘導していくことが目的なので、綺麗なまとめノートを作って、やった気になるのは危険です。
時間をかけて綺麗なまとめノートを作るくらいなら1周でも多く過去問を解いてください。
市販本を参考に過去問を解く
「WEBサイトだけじゃなくて、やっぱり紙ベースのテキストが欲しい」と言う場合は市販本を購入してください。
実のところ私の場合、WEB情報で満足していたので市販本については購入しただけでほとんど使っていません。
市販本についても使う人によって好みがあるので「この本が最強です」と軽々しくは言えませんが、どうせ買うなら2冊セットになってるものがオススメです。
保育士試験対策本の中には「これ1冊で合格」みたいな本も多いのですが、圧倒的に情報量が足りていません。
……と紹介してみたものの、正直言って別の市販本でも使えます。
重要なのは「2冊セットであること」です。ペラッペラのテキストでは内容的にカバーし切れていません。
テキスト以外に買っておきたい市販本
「過去問を千本ノックのように解いていくだけで保育士試験に合格出来ます」とは言うものの、勉強をし続けているうちに「過去問は解けるようになってけど、これで本当に合格出来るのかな?」と不安になってくるかと思います。
過去問中心に学習していると「見たことのない新鮮な問題が解きたい」って気持ちになってくるんですよね。
そんな時にオススメしたいのが予想問題集や模擬問題集です。
市販されている保育士試験問題集の多くは過去問を中心に構成されているので、やみくもに購入すると「あっ…これって過去問では?」って事になるのでご注意くださいね。
私が購入したのはこの2冊。
ユーキャンの予想問題集は保育士試験と同等レベルだと思います。抜粋された過去問もついてくるので、紙ベースで過去問を学習したい方にもオススメです。
成美堂出版の模擬問題集はぶっちゃけ保育士試験本番の問題よりも難しいです。
ですが、その分成美堂出版の模擬問題集は腕試しになりますし、公式で公開されている5年分の過去問とこれを楽々解けるようになればまずまず安心しても良いかと思います。
定番の1冊(アプリ)は持っていて欲しい
過去問や予想問題集以外で「買って損はありませんよ」と自信を持って言えるのは一問一答集です。
特に電車通勤をなさっている方は相棒としてカバンに1冊入れておいてください。出版社はどこでもかまいません。
一問一答を解く場合も考え方は過去問を解く要領と同じです。
単純に答えを導き出すのではなく、解説等をしっかり理解することが重要になってきます。解説分までガッチリ覚えられるように頑張ってください。
一問一答は紙ベースだけでなく、スマホアプリもあるので「スマホの方が好き❤」って方はスマホアプリ版をダウンロードなさってください。
無料動画を活用する
保育士試験の勉強の基本は黙々と過去問なり、予想問題集なり、一問一答なりに取り組んでいくことなのですが、これは視覚から入ってくる情報と手を動かすことで成り立っています。
もうひと押しってことで聴覚を活用した学習も取り入れてください。
ユーチューブでは保育士試験対策をテーマにしているユーチューバーさんが沢山おられます。相性もあるとは思いますが私が1番オススメしたいのは「ほいくん」の保育士チャンネルです。
ほいくんの保育士チャンネルはこちらから
ほいくんの保育士チャンネルは基本的に過去問を中心とした攻略になっているため、過去問を中心に学習していくのに相性バツグンなんです。
私は毎日、家事のBGMとして聞いていました。好きな音楽を聞いたり、テレビを流す余裕があるなら、ほいくんの動画を流し聞きしてください。
通勤時間のお供にするのも良いと思いますし、ベッドに入ってからの時間で聞き流すのも良いと思います。
とりあえず、保育士試験の勉強をしている期間くらい、耳心地の良い音楽を聞いている時間があれば、ほいくんの保育士チャンネルを聞くことをオススメします。
もちろん「私、ほいくん苦手だわ~。合わないわ~」って場合はご自身と相性の良いユーチューバーさんの講座を見つけて聞いてみてくださいね。
聞き流し学習にオススメしたいアイテム
ちなみに。通勤時間等を利用してスマホで聞くのもアリですが、防水スピーカーがあればお風呂タイムにも「ほいくん」等を聞くことができるのでオススメです。
Bluetoothで接続するタイプで、スマホからでもPCからでも動画の聞き流しをすることができます。
お風呂で使える防水スピーカーは上を見ればキリがないですが、保育士試験の勉強動画を聴き流しする程度なら、このスピーカーで充分です。
2000円前後(タイムセールの時などは安くなることも)で購入できるので、聞き流しのお供に買うのもアリ。
私が過去問にこだわる理由
「過去問だけで本当に合格出来るの? やっぱり通信教育とか必要なのでは?」って思われている方も多いと思います。
だけど現実的に保育士試験ってユーキャンや保育士試験対策の専門学校やインターネット経由で有料教材を購入していても一発合格出来ない人が多いんですよね。
正直なところ知識量だけで言うと通信教育や有料教材で真面目に学習している方の方が凄いと思っています。
では何故知識が多くても保育士試験に合格出来ないでしょうか?
実は保育士試験って「問題を読み込む力」が重要になっているからです。
保育士試験には独特の言い回しや意地悪な引っ掛け問題が多数登場します。「あと1問が取れなくて合格出来なかった」って方の体験談等を読んでいると「じっくり読めば知っていたことなのに問題を読み違えて間違えてしまった」ってケースが多いようです。
過去問をやり込む目的は問題のパターンを身体で覚えることにあります。
保育士試験の本番では、どんなに深く学習したところで「見たことのない問題」「どのテキスト(市販本)にも出てこなかった問題」が登場します。こう言った場面で強いのが「問題のパターンを身体で覚えている人」なのです。
そしてもう1つ。
……保育士試験の本番でも、ぶっちゃけ過去問が丸っと出題されます。
例えば。令和2年後期試験の社会福祉の問14は言い回しを少し変えていたものの、平成27年後期試験の問10と同じものでした。
保育士試験対策を解説している方の中には「古い過去問は手を付けない方が良い」と主張する方も多いのですが、2年以上前の過去問が丸っと出題されている…ってことは紛れもない事実です。
だからこそ保育士試験対策の市販本やテキストは過去問を中心とした構成になっているんですよね。
一発合格って言っても実技試験受けてないんでしょ?
ここまでドヤ顔で解説させて戴きましたが「そうは言っても、あなたは実技試験受けてないんでしょ?」って思われる方もおられるかと思います。
私は幼稚園での実務経験0ですが幼稚園教諭の2種免許を持っているので、筆記試験2科目と実務経験が免除になっています。
実技試験を受けていないので恐縮ですが、ここで言わせて戴きます。
実技試験の合格率って80%から90%なんです!
ここ数年の合格率ははざっくり90%です。
筆記試験の合格率は19%から20%ですから、これが何を意味することかお分かり戴けるかと思います。
- 筆記試験は10人の中から2人の合格者を選ぶ試験。
- 実技試験は10人の中から2人の不合格者を選ぶ試験。
要するに実技試験は普通に市販の実技対策本を買ってユーチューブ等で対策動画見てしっかり真面目に練習すれば、まずまず合格出来る…ってことです。
私のリアル友人は筆記試験は1発合格が出来ずに2回チャレンジしましたが実技試験は1回で突破しています。
保育士試験対策を売りにしている人の中には「実技試験で落ちる人がぁぁぁ~」と煽ってきますが、煽らないと対策教材や講座に課金してくれないので、煽らざるを得ないのです。
人間は裏切りますが数字は裏切りません。
真面目に対策出来るのであれば実技試験は突破出来ます。まずは筆記試験を突破することが大切です。
何時間くらい勉強したら合格するのか?
さて。「やり方は分かったけど具体的に何時間くらい勉強したら合格出来る?」ってところは気になるかと思います。
正直、記憶力には個人差があるので「○時間勉強したら大丈夫ですよ」とは言い難いのですが、私の経験からすると最低ラインは100時間だと考えます。
この100時間の中にテキストを開いてボーッと眺めたり、ユーチューブを聞き流して勉強した気になっているような時間は勉強時間としてカウントしません。あくまでも「ガチで勉強に取り組んだ時間」のみです。
たまに「1ヶ月の勉強で保育士試験に合格しました」みたいなブログ等がありますが、1日3時間✕31日だと93時間ですから、なるほどあり得るラインです。
ただしこの1日3時間って一般的な社会人や主婦の場合、それだけの勉強時間を確保するのは至難の業ですよね。1日1時間だと3ヶ月ちょっとの準備期間が必要です。
私の場合、試験直前は出来るだけ勉強時間を確保するようにしましたが、それでも仕事で疲れた日や家族の行事が入った日などは全く勉強出来ませんでした。
一般論で言うのならトータル100時間の勉強、最低3ヶ月の対策期間を考えておくことをオススメします。
モチベーションを保ちつつコツコツ取り組む
実のところ、保育士試験に挑むにあたって難しいのは「通信教育か学校に通うか独学するか」なんて事じゃありません。
合格に至るまでのルートは人それぞれですし、どんなに素晴らしい勉強法も人によって向き不向きがあります。
1番難関になってくるのが「大量の暗記物と向き合っていくモチベーションを保つ」ってことだと思います。
また高額な費用をかけなくても、インターネット上には保育士試験対策を公開しているユーチューブやブログがたくさんあるので、それらを活用しながら飽きがこないように工夫するのもアリです。
私の場合、Twitterを活用していました。
Twitterで自分と同じように保育士試験に挑んでいる人をフォローして、情報収集しつつ「自分も負けてられない」と励みにしていました。また、気をつけたいポイントを自分のアカウントでつぶやいたりもしていました。
すでにTwitterアカウントを持っている方は、それを活用しても良いかと思いますし、新たに保育士試験用のアカウントを作るってフォローするのもアリだと思います。
保育士試験、筆記9科目を合格するのは楽なことではありませんが、コツコツ努力を積み上げることが出来る人なら誰でも合格出来る試験です。
この体験談が保育士試験を志す方のお役に立てれば幸いです。ここまで読んでくださった方の合格を心から願っています。