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仮釈放 吉村昭 新潮文庫

非常に面白かったのだけど、なんだか微妙な後味だった。

タイトルの通り、仮釈放をうけた人の生活を描いたお話だった。

当然のごとく主人公は犯罪者。

不倫していた妻を殺害したことで刑務所に入り、刑期半ばで仮釈放となる。娑婆へ帰るまでの気持ち、そして社会復帰してからの生活が淡々と描かれていて「流石は吉村昭」という感じだった。

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仮釈放

ザックリとこんな内容
  • 浮気をした妻を刺殺し、相手の男を刺傷し、その母親を焼殺して無期刑の判決を受けた男が、仮釈放された。
  • 長い歳月の空白をへた男の目にこの社会はどう映るか?
  • 自分の罪を悔いることのない男は社会で生きていくことが出来のるのか?

感想

吉村昭の文章は好み過ぎて困る。

なにげないことに感じる幸せの描写は微笑ましく、そして「罪」への解釈はドキッっとするほど的を得ていて、いい感じで面白かったのだけど、いかんせんラストが唐突過ぎた。

オチは途中で想像がつくように、ちゃんと伏線を張っていてくれたのだけど、それにしても、それまで丁寧に書いていただけに、突然書きなぐられたような文章についていけず、ラストで興醒めしてしまった。

何かに例えるのなら……画集を1冊買ったとする。

丁寧に描かれたエッチングの作品集で、このままずっと、こういう作品が楽しめると期待しつつページを繰っていたら、最後の1ページで唐突に油絵の描き殴りちっくな抽象画が出てきて「なんじゃ、これ?」と、がっかりさせられた……てな感じ。

途中まで面白かっただけに、残念である。

「人間って、そんな生き物さ」てなことを書きたかったのは分かるのだけど、匙加減を間違えたように思えてならない。途中まで面白かっただけに、ガッカリされられた1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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