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会いたい推しには会いに行け。ホセ・カレーラス・スペシャルコンサート。

11月10日の日曜日。ホセ・カレーラスのコンサートに行ってきた。

ホセ・カレーラスはルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴと並ぶ3大テノールの1人。

3大テノールの中では1番の若造で下っ端。「カレーラスはパバロッティやドミンゴと較べると小者だよね」的な評価をされているけれど、私はずっとカレーラス一筋で追いかけてきた。

カレーラスはなんだかんだ言って一流のテノールな訳だけど、全盛期のカレーラスは「王子様感」が凄かった。

パバロッティやドミンゴと較べると色気が足りないけど、真面目な感じがまた素敵。3大テノール公演などでは「2人の兄貴に愛される末の弟」的なポジションがそれはそれで萌え。

……とは言うものの、結婚してからカレーラスのコンサートに行くのは初めてのこと。

ホセ・カレーラス、御年72歳。

カレーラスは親日家で日本にはなんだかんだと公演に来てくれるけど、ずっとお元気で活動出来る保証はどこにも無い。

今回、堺に出来た新しいホール(フェニーチェ堺)の杮落とし公演に来ると知った時「これが最後のチャンスかも知れない」と思い、高額なチケットを清水の舞台から飛び降りるような気持ちで購入。

夫と娘には「この日は親族の葬式でも無ければ最優先で行くから協力して欲しい」「家族や親族が生きるの死ぬの以外のトラブルならコンサートを選ぶから」と宣言。夫も娘も快く協力してくれた。

前の日の晩は興奮してよく眠れなかった。

10年以上ぶりなのだもの。わくわくが止まらないのも仕方がない。

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ホセ・カレーラス スペシャルコンサート

そして実際のコンサートなのだけど…

分かっちゃいたけどホセ・カレーラス、72歳。すっかりお年を召されていた。

私がカレーラスを最初に意識したのは小学校6年生の頃。当時王子様だったカレーラスは老紳士になり、私は中年のオバサンになった…って訳だ。

舞台にいたのは私の知っているカレーラスではなかったけれど、品よく年を重ねたカレーラスがいて、ファンとしてはそれだけで大感激だった。

勢いのなさは否定できないけれど、端正な歌い方や甘い歌声は相変わらず。「よくぞ、ここまで生きて舞台に立ち続けてくれました」と言う気持ちでいっぱいになってしまった。

抱き合わせ商法の客寄せパンダ

久しぶりにカレーラスのコンサートに行って大感激だった訳だけど、実のところお客さんの評判は散々だった。

……カレーラス、あんまり歌ってないし!

前半の構成は

  • オーケストラ前奏
  • カレーラスの独唱
  • カレーラスの独唱
  • オーケストラ間奏

……みたいな感じで合間合間にオーケストラ。

後半はバーンスタインのミュージカルナンバーを演奏と共に歌ってくれたのだけど、カレーラスの出番は、ほんのちょっぴり。

コンサートは会場の年齢層がやたら高かったのだけど、私の隣のかなりご高齢の御婦人は半分以上、寝ていらした。どうやらカレーラス以外に興味がなかった模様。

帰路の電車の中で「2万円出したの失敗だったな~。カレーラスほとんど歌ってないし」と怒っている初老男性に奥様らしき方が「まあまあ。佐渡さんの指揮、なかなか良かったじゃないですか」とたしなめている場面を目撃してしまった。

……分かる。ものすごく分かる。

コンサート自体は素敵だったし、カレーラス以外の出演者のレベルも高かったと思う。

だけど「ホセ・カレーラス スペシャルコンサート」と銘打っておいて、カレーラス要素がほんのちょっぴり…ってのは詐欺だと思った。

最近のクラシック界の悪しきやり方なのか、それとも堺市にセンスが無かったのか?

せめてアンコールでカレーラスの十八番の『カタリ』あたりをお願いしておけば、カレーラスファンは「ああ…やっぱりカレーラスの生歌が聴けて良かった…」と思えただろうに、全員で演奏して終わっちゃったのは失敗だったと思う。

推しが生きてて、ありがとう

散々っぱら文句を書いているけれど、それでも私はカレーラスのコンサートに高いチケット代を払ったことを後悔していない。

カレーラス72歳。もしかしたら日本最後のコンサートになるかも知れない。

本物のヲタクと言うものは推しへのお布施を惜しまないのだ。今回のコンサートは割高だとは思ったけれど、カレーラスへのお布施だと思えばなんてことはない。

一時期クラシック界の牽引した3大テノール。パバロッティは死んでしまったし、ドミンゴはセクハラ問題で晩節を汚してしまった。

カレーラスが今も現役で舞台に立ち続けていてくれることを自分の目と耳で確認しただけで、コンサートに行った甲斐があると言うものだ。

私は3次元に推しがいる人に強く言いたい。

会いたい推しには会いに行け!

推しがいつまでも元気でいてくれるなんて考えは甘えでしかない。死んじゃうかもれないし、体調等の理由で活動を辞めてしまうかも知れない。

そして推しが元気で活動し続けてくれたとしても、自分の事情で行けなくなってしまうかも知れない。実際、私も娘が小さい頃はカレーラスのコンサートどころの話ではなかった。

別れは突然やって来る。

「あの時、どうして行っておかなかったんだろう…」と後悔しないためにも、3次元の推しがいる人は常に全力で推しを愛し続けて戴きたい。

「カレーラスを堪能する」と言う意味では物足りないコンサートだったけれど「我がカレーラスファン人生に一点の悔い無し」くらいの勢いで行って良かったと思っている。

もしも…だけれど、もう1度カレーラスのコンサートに行けるようなチャンスがあったとしたら、どんなにチケットが高くても、たくさん歌ってくれくても、また会いに行きたいと思った。

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日記
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白い木蓮の花の下で
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