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出会うべくして出会う本

宮本輝『葡萄と郷愁』を読んだ。特別読みたかった訳でもなかったのだけれど、ブック・オフの100円の棚に並んでいたのが目についたので、なんとなく。2人の女性の「迷いと決断」を描いた作品で、それほど面白くも無かった。しかも私はヒロイン達とは全く違った思考パターンを持つ人間なので、共感のしどころさえ無かった。本来ならば「詰まらなかった」と思うところなのだが、私もプライベートで決断を下さねばならない状況に遭遇したので、違う意味で面白く、そして特別な1冊になってしまった。

執念深く本と付き合っていると、ごく稀に「今読んだからこそ、ガツンと来た」なんて本と出会うことがある。タイミングを外せば、心に響いてくるはずもない作品が「いま・その・瞬間」だからこそ、つぶさに味わうことが出来た……と言うような。たぶん、そんな作品とは出会うべくして出会ったのだと思う。

無機質なものに感情を寄せるだなんてナンセンスだと思うのだけど、そういう出会いと遭遇した時は「特別な何か」を感じずにはいられない。自分を慰めてくれた1冊。決断を促してくれた1冊。背中を押してくれた1冊。音楽の好きな人が、その時々に流行った音楽に自分の歴史を刻んでいくように、本の好きな人は、その時々に読んだ本に自分の歴史を刻んでくゆくのかも知れない。

たいして面白くもなかったけど、特別な本……てのは確実に存在すると思った。

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本の話
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白い木蓮の花の下で
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