またしても題名惚れして、買ってしまった。
題名惚れして手に取ると失敗する確立が高いのだけど、今回は大成功。とても面白かった。
ファンの欲目を抜きにしても、素晴らしい作品だと思う。「世界で一番美しい病気」だなんて、上手いこと言ったもんだなぁ。座布団十枚。
世界で一番美しい病気
ザックリとこんな内容
- テーマはズバリ「恋」
- 「恋におちるたびに、僕はいつもボロボロになってしまう」と語る中島らもの恋の話。
- 「よこしまな初恋」「性の地動説」「私が一番モテた日」「やさしい男に気をつけろ」「サヨナラにサヨナラ」等、エッセイ、小説を集めた1冊。
感想
私は中島らものファンなので「何を読んでも面白い」と思ってしまうところが無きにしもあらず…なのだけど、それにつけてもこのエッセイ集は良かった。
恋について語ったエッセイと、恋について書かれた短編が少し。
作者のダメ人間っぷりが愛しくて素敵。ものすごくダメ人間なのに、変なところで真面目だったりして、そのバランスの悪さが素敵にワンダフル。
私は、けっこうダメ人間好きなのだが「ダメ人間」を好きになるポイントというのは、とても微妙。
同じダメ人間でも、攻撃的だったり、人を小馬鹿にしたような態度を取るダメ人間は嫌いなのだ。自分はダメだという卑屈さがちょっぴりあって、物悲しく、そして優しいダメ人間が好きみたい。
抱き合って一緒に堕ちていきたいとゆうか。太宰なんかも私の好きなダメ人間の1人。あ。これは芸術的な意味での趣味嗜好なので、実際に惚れるかどうかは別問題。
脳手術を受けて、恋ができないようになりたいだなんて言ってくれるよなぁ。
こういうセリフはなかなか言えない。男の色気にクラクラしてしまった。
らもさん早く娑婆に復帰して、もっと面白いものを書いて欲しいなぁ。
麻薬を肯定するつもりは無いけれど、犯罪者になっても、らもさんのことが好きだ。嫌いになんかなれない愛しきダメ人間らもさんの、お戻りを祈りつつ。
中島らもの他の作品の感想も読んでみる
世界で一番美しい病気 中島らも 角川春樹事務所