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白い犬とワルツを テリー・ケイ 新潮社

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なんだか巷で、やたらと大人気のようなので「本当に面白いのだろうか?」と疑いながら、それでも古書店で100円という値段に釣られて買ってしまったのだ。

ひと言で感想を言うと「意外と面白かった」ってな感じ。

痛いほどの感動を与える「大人の童話」という触れ込みだったが童話というよりは、むしろ「理想の老後の姿」って気がした。たしかに童話的な要素もあったけれども私には、それは大きなポイントだとは思えなかった。

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白い犬とワルツを

長年連れ添った妻に先立たれ、自らも病に侵された老人サムは、暖かい子供たちの思いやりに感謝しながらも一人で余生を生き抜こうとする。

妻の死後、どこからともなく現れた白い犬と寄り添うようにして。犬は、サム以外の人間の前にはなかなか姿を見せず、声も立てない―真実の愛の姿を美しく爽やかに描いて、痛いほどの感動を与える大人の童話。

アマゾンより引用

感想

日本でも高く評価された作品だが、本国、アメリカでの熱狂ぶりは日本の比ではなかったそうだが、作品を読むと「そりゃぁ、そうだろうね」と納得してしまった。なぜなら、この作品は「古き良きアメリカ人の物語」だったのだ。

素朴とか、誠実とか、良心とか……そんな言葉がピタリとハマル人々が物語の中では生き生きと生活していたのだ。

麻薬とか、銃とか犯罪とか……そんな暗い影はどこに見られなかった。

料理上手な妻と、朴訥な夫と、可愛い子供のいる家族……年を重ねるごとに家族の形は変化してくのだけれど夫が妻を思う気持ちや、子供が父を思う気持ちは読んでいても「なんかイイ感じ」なのであった。

サザエさん的というか、ちびまる子ちゃん的というか、多くの人が単純に「あぁ羨ましいなぁ」と思う形だったのだろうと思う。

日本人も、アメリカ人も、やっぱり同じ人間なのだなぁ~なんてことを思ったりして作品の内容とは別のところで妙に感心してしまった。

私は普通に、それなりに面白く読んだのだけれども、もう少し年配の方が読まれたら、もっと感じるところがあるのではないかと思うタイプの作品だった。

年を積み重ねていくことの哀しみとか、幸せとか、そ~ゆ~のって、あるよね……とか思ったりして。

こじんまりと「いいなぁ」と思った作品だった。

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