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不法愛妻家 デビット・ゾペティ 新潮社

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イタリア人男性と日本人女性が国際結婚をして家族になっていく物語。ドタバタコメディで映像化向けな気がした。

非常にテンポの良い作品で面白かった。

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不法愛妻家

イタリア人のファブリは、大阪生まれの和泉と出会い、恋に落ち結婚する。せっかちでドライな和泉と、どことなく要領が悪く、ロマンチストなファブリ。

「大阪人vsイタリア人」とも言える二人は、惹かれ合ったり反発し合ったりしながら、日々を送り、やがて子供も生れる。爆笑の中で、夫婦、家族、日本を問う、新鮮な、書き下ろし長編。

アマゾンより引用

感想

いささかドラマチック過ぎな気がしたけれど、それも小説の醍醐味と思えば気にならない程度のもの。

1組の男女が出会って、結婚して、子どもが生まれて…という過程で国際結婚だからこその大変さがあるとは思うのだけど、どこの家庭でも経験するだろうエピソードも数多くあって「家族小説」としても興味深い。

物語のテンポが早いのでアッと言う間に読んでしまったし、それなりにた楽しませてもらったのだけど、登場人物がイマイチ好きになれなかった。

副主人公とも言えるイタリア人の妻の和泉は大阪出身の女性なのだけど、大阪に住む私でさえ「それって、どうなの?」と疑問に思うほど独特な人で軽く反発を覚えてしまった。

言っちゃあなんだが、和泉のような考え方の人も、そういう一族も大阪では珍しいタイプだと思う。

まぁ……いないではないだろうけれど、特殊ケースと言ってもいい。

この読書録には書いていないのだけど『いちげんさん』を読んだ時も、作者の描く女性像にはイマイチ共感が持てない。

男性作家さんが描いたから…という部分もあるだろうけれど、外国人フィルターを通して描かれていて、デフォルメが過ぎるのだ。

漫画ならアリだと思うのだけど、小説でそれをされるとちょっとキツい。

色々な事を乗り越えて、男女が恋人になって夫婦になって家族になって…という話は嫌いじゃないし、決してツマラナイ作品ではなかったのだけど、最後までどうしても違和感がぬぐい切れなかった。

面白い…と言えは面白かったけれど、好きとは言い難い1冊。

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