以前から気になっていた『高慢と偏見とゾンビ』を視聴した。
『高慢と偏見』は読書好きなら知っているであろうジェーン・オースティンのイギリスの恋愛小説。
読書好きじゃなくても『ダウントン・アビー』系のイギリスドラマや映画が好きな人なら映画等で触れたことがあると思う。
お城にドレス、貴族に執事。金髪の美女に青い目のイケメン紳士…夢見がちな日本人が大好きな要素が詰まっている名作だと思う。
「どうして、そこのゾンビをねじ込んでくるのか?」と言う不思議。
「頭の悪いB級映画なんだろうなぁ…」と覚悟して挑んだのだけど、これが予想外に面白くてビックリしてしまった。
高慢と偏見とゾンビ
高慢と偏見とゾンビ | |
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Pride and Prejudice and Zombies | |
監督 | バー・スティアーズ |
原作 | セス・グレアム=スミス、ジェーン・オースティン(原案) 『高慢と偏見とゾンビ』 |
製作 |
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出演者 |
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音楽 | フェルナンド・ベラスケス |
- 舞台は18世紀のイギリス。
- 謎のウイルスが原因で大量のゾンビが出現して人々を襲撃する。
- 適齢期を迎えたベネット家の5人姉妹はカンフーを駆使してゾンビと戦う毎日を過ごしていた。
- ある日、エリザベスは大富豪の騎士であるダーシーと出会う。
- エリザベスは高慢な態度のダーシーに対して偏見を抱く。
- しかしエリザベスはダーシーと共にゾンビと戦うことになり…
感想
この作品。予想外以上に『高慢と偏見とゾンビ』だった。
てっきり『高慢と偏見』の本筋は雰囲気をなぞるだけで、基本的にはB級のホラー映画だと予想していたけれど、意外にも『高慢と偏見』の本筋がしっかり受け継がれていて、ホラー要素は低めだった。
なので「ホラー映画が観たい」とか「ゾンビ映画を楽しみたい」と思って観るとガッカリすると思う。『高慢と偏見』と言う恋愛映画を楽しみつつ、そこにゾンビエッセンスが加わってくる…くらいのスタンスで挑むのが良いと思う。
原案になった『高慢と偏見』はそれだけでも面白いのに、そこの面白要素をトッピングすると言う荒業には驚かされた。
最初に驚くのがベネット家の美人姉妹がカンフーの達人だってこと。
美しいドレスを身につけた美女がカンフーアクションを繰り広げるのだから恐れ入る。そして唐突にゾンビ。美女達はカンフーでゾンビと戦う。
5人姉妹のうち、4人は日本に留学して武道を学び、主人公のエリザベスだけは中国でカンフーを学んだ…と言う設定。
そんなお馬鹿な映画なのに、イギリス社交界の様子はしっかりと抑えられていて、ゾンビさえなければ、ちゃんとした『高慢と偏見』なのだ。
エリザベスとダーシーの恋のすれ違いもキッチリ描かれていて、恋愛映画としても成り立っていた。
「この映画…別にゾンビを入れなくても良かったのでは?」
……そう思ってしまうほど、ゾンビ度は低く、恋愛度は高い。
無印の『高慢と偏見』だと、真面目過ぎると言うか遊び心がなさ過ぎるのだけど、ゾンビをねじ込んでくることで笑いと余裕が生まれたように思う。
少なくとも見目麗しい美女達がゾンビ軍団と戦う場面は、セーラームーンやプリキュアが悪者と戦う場面のようで、観ていてとても楽しいのだ。
公開当時の評価は賛否が真っ二つに別れたそうだけど、アニメに親しんだ日本人なら意外と受け入れやすいのではないかと思う。
私は思い切り楽しませてもらった!
- 戦う美女が好き
- 高慢と偏見が好き
そんな方にオススメしたい楽しい作品だった。