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愛と苦悩の手紙 太宰治 角川文庫クラッシックス

『愛と苦悩の手紙』は題名ズバリそのままの書簡集だった。

作家の日記や、書簡集を読むというのは、推理小説を読むのと少し似ているような気がする。

たとえプライベートで書かれたものであったとしてもプロの書く文章は、どこか「作りごと」が入っているように思う。

もちろん、素人の書く日記や手紙だって事実がストレートに書かれているとは限らないのだけど。

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愛と苦悩の手紙

ザックリとこんな作品
  • 太宰治の書いた212通の手紙を亀井勝一郎が編集。
  • 獄中の先輩宛ての手紙から、友人、知人、死のひと月あまり前、妻に寄せて「万事よろしくたのむ」と記した簡潔な葉書等。
  • 手紙を通じて太宰の素顔とさまざまな事件の消息、作品の成立過程を浮き彫りにしていく。

感想

日記や書簡集を読むのは「面白い」「面白くない」という読み方ではなくて好きな作家の横顔をちらりと盗み見るような喜びがあって、その辺が、なんとなくイイ感じなんである。

太宰治が生きていた時代は、今のように通信手段が多くなかったので手紙を書くという行為は、日常的なものだったのかも知れないがそれにしても太宰治という人は、筆マメだったらい。

太宰治の死後、所持者から貸与を受けて、書写された手紙の数は640通になるらしい。

もちろん、書写されていない手紙もあっただろうから、かなりの数の手紙を書いていたのだろうと思われる。

やはり太宰治は作家なだけに「書く」ということが好きだったのだろうか。好きとか、嫌いとか以前の問題でもっと本能的に書いていたのかも知れない。

この書簡集には、212通の手紙が収録されていたけれど手紙も、丁寧な言葉でもって綴られていて、男性の書いた手紙と言うよりもむしろ女性の書いた手紙のような雰囲気があった。

太宰治は「女性語り」が上手い人だったが、それも関係しているのだろうか?

礼儀正しいが、ややオドオドした感じの言い回しが印象に残る。

チョットはがきを切らして、こんなはがきでごめんなさい。

なんて前置きをしながら、それでも手紙を書いてしまうあたりに太宰治の孤独が滲み出ているようだと感じたのは、私の思い込みに過ぎない。

臆病なまでに丁寧な手紙は、まとめて読むと痛々しくて「やっぱり太宰治の書いたものなんだなぁ」と思わずにはいられなかった。

当たり前なのだが、手紙の文章は美しくて、巧みだった。

こんな手紙を書く人から恋文(あえてラブレターではなく恋文なのだ)をもらったりしたら、それだけで、惚れてしまいそうだなぁ……と思った。

自分勝手なことを想像したり、手紙の中から作者の横顔を探してみたりといった覗き趣味的な楽しみ方をしなくても、文章を味わうだけでも楽しめる書簡集だと思う。

作品の内容とは関係ないのだが、メールではなく手紙を書こう……と思ってしまった1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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