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雪の断章 佐々木丸美 講談社文庫

久しぶりに再読してみた。

『雪の断章』は……と言うよりも、佐々木丸美作品に共通した特徴なのだが、まずは美文調の強烈な1人語りに圧倒された。

物語の設定には女が好みそうなキーワードが散りばめられていて男性には読み難いかも知れない。天涯孤独、愛、恋、陰謀……言うなれば少女小説ちっくである。

ちなみに佐々木丸美には熱烈なファンが多いらしくそんな人達は「マルミスト」と呼ばれているらしい。

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雪の断章

養い先の家で惨い仕打ちを受け家を飛び出した孤児の飛鳥は、青年・祐也に助けられ彼の元で育てられる。

育ての親である祐也への愛を、飛鳥はひそかに募らせていく。そしてある日、殺人事件が発生したことから飛鳥と祐也の運命は大きく動き出す――。

情感溢れる筆致で少女の想いをみずみずしく描き 、北海道を中心に一大ブームを巻き起こした珠玉の名作。

アマゾンより引用

私の友人にもマルミストがいるが、彼女は佐々木丸美の出版物をすべて持っている。

佐々木丸美は、出版の版を重ねるごとに、少しづつ改稿しているらしく全ての版を揃えて、違いを検討しているというのには驚かされる。

ちなみに佐々木丸美は現在、キッパリと創作活動から身を引いていて引退してもなお、熱いファンがいるあたりは、出版界の山口百恵……という印象を受ける。

舞台は北海道。天涯孤独のヒロイン飛鳥を軸にした推理小説だが推理小説と言うよりも、むしろ恋愛小説の色が濃いように思う。

主人公は自分を養育してくれた青年に恋心を寄せるようになるのだが、その気持ちの描写というか、1人語りは読んでいる方が赤面するくらいに細かい。

だが、美しい旋律を聞いているような、流れるような文章で描かれているので胸焼けせずに、読めてしまうから不思議なんである。

シュチュエーションの美しさもさることながら作者の文章力が優れているから、嫌みがないのだろうと思う。

そして何よりも、人の心を惹きつけてやまないのは登場人物達が感情豊かに描かれているからだと思う。

淡い想い、激しい恋、嫉妬羨望……生身の人間なら誰もが持っている心のうちを文章でもって読まされていくうちに登場人物にシンクロしてしまう魔力がある。

ただし、佐々木丸美が得意とするのは「女性」限定なのか男性陣にいたっては「女性好みの素敵な男性」または「嫌なオッサン」という少々、おざなりに描かれているのは残念である。

ヒロインの引き立て役という意味で考えるなら、それもまた良のかも知れないけれど。

ちなみに、佐々木丸美の作品は、いくつかの作品が少しづつリンクされていて読破すると「大きな謎」が見えてくるという仕込みがあったりする。

独特の世界観を楽しむことが出来るのであれば、ついでに謎解きにも挑戦してみるのも良いかも知れない。

本を読むのに「適齢期」など存在しないと思うのだが『雪の断章』をはじめとする一連の作品は大人になりきる前……できれば10代の頃に出会えたら、いっそう楽しめると思う。

ちなみに私は10代で佐々木丸美と出会っているので、今でも好きだと言い切ることが出来るのだけど三十路の今、はじめて読んだとしたら感想は違っているかも知れない。

少し古めかしい雰囲気ではあるが、文句なしに美しい小説だと言える1冊である。

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白い木蓮の花の下で
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