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25年前のデパ地下の大晦日。

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今年は飲食業界で「元日は休みます」と言うグループがあるとのこと。個人的には凄く良い事だと思う。

世の中には「人が休んでいる時も働くなきゃいけない仕事」があるのは理解している。警察官とか消防士とかの公共系の仕事や公共交通機関で働く人、医療や介護の現場で働く人は休む訳にもいかないだろうし「本当にお疲れ様です」と感謝するけれど、サービス業、小売業の人達は元日くらい休んでもいいんじゃなかろうか。

私が子どもの頃、デパートの初売りは3日だったし、スーパーや個人商店は3日どころか1週間くらい休んだりしていた。

だからこそ、年末の買い出しは重要だった訳なのだけど、不便なりに世の中は回っていたのだ。

学生時代。冬休みにデパートに入っているちょっと高級な甘味処で皿洗いと厨房のバイトをした事がある。

本当はウェイトレスで入ったのに「厨房手が足らないから誰か入って!」と長靴とゴムエプロンを渡されれてヘルプに入ったが最後「あんたは見どころがある」と、最後まで厨房から出してもらえなかった。

ウェイトレスの可愛い制服に憧れて入ったバイトなのに厨房に入れられたのは不本意ではあったけど、それはそれで楽しかったし、職人さんにもパートのおばちゃん達にも「もう、このままここに就職しちゃいなよ」と言われるほど可愛がってもらって楽しかった思い出がある。

当時、デパートは大晦日まで営業して3日から営業します…と言うスタイルだった。

中に入っている飲食店はデパートの閉店時間よりも早めに閉店していたので、バイトが終わった後「大晦日のデパ地下って安売りとかしてるんじゃないかな?」と思い立ち、閉店ギリギリのデパ地下に突撃してみたところ、そこは投げ売りパラダイス。

今日中に売り切ってしまう必要があるマグロのお刺身の柵とか、揚げ物なんかが信じられない値段で投げ売りされていた。

私もマグロの柵とオコゼを2匹買って帰った覚えがある。今にして思えば20歳の小娘が「マグロの柵とオコゼ2匹」をチョイスするとか「どんだけ海鮮好きなんだ?」って思う。

しかしそれ以降、私が大晦日のデパ地下で買い物をする事はなく、30代になってから何かの事情で大晦日出掛けることがあり「そうだ! あの時みたいに投げ売りされている高級食材を買って帰ろう」と行ってみたのだけれど、その時はすでにデパートが3日に初売りする時代ではなくなっていた。

多少のタイムサービスはあったものの、あの時のような投げ売りなんてどこのお店もしていなかった。

翌日の元旦から店を開ける…言うこともあるだろうし、冷蔵・冷凍の技術の進化により「絶対に売り切らなきゃ」って事が無くなってしまったのだろう。

「元日に休む飲食業界」の話を聞いて、ふと懐かしい事を思い出してしまった。

人は低きに流される生き物なので一度手に入れた便利さを捨てるのは難しい。なので「昔に戻せ」と言うつもりはないけれど「どうしても働く必要のない人意外は元日くらい休んでもいいんじゃない?」と心から思う。

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